「北端さんの話はとてもわかりやすいですね」
先日、何人かの受講生から言われました。振り返ってみると、これはよく言われる感想なので、自分なりにどうしてそう思ってもらえるのか、考えてみると思い当たることは1つ。私の飲み込みが悪さです。
昔から、はじめて学ぶことを理解するののとても時間がかかる。そこでこの課題をクリアするために「そういうことだったんですね!」と腑に落ちるまで、先生に根掘り葉掘り質問してきました。そのおかげで、他の人が何がわからないのかわかるのだと思います。
振り返ってみても、小学生時代から、私は飲み込みの悪い子でした。だから他人と比べると、できるようになるまでの時間がかかります。
たとえば、先生の話(授業やレクチャー)などが、そのままではわからないことが多かったんです。知らない単語や表現がたくさん出てくるとお手上げです。結果、学生時代、私がとった勉強法は丸暗記。テストはこれでなんとかクリアできましたが、2つ問題が出てきます。
- 1週間後にはすべて忘れている
- 応用が効かない
世の中には相手の話を50%理解すれば、80−90%理解できる能力がある人もいますが、残念ながら私はそうではありません。テストや受験は一夜漬けでも乗り切れますが、社会人になるとそうもいきません。こちらの理解度や能力は、わかる人にはわかってしまうからです。
仕事は続けることが信用してもらえ、次の仕事の依頼をもらうわけですから、一時的な対処では先が見えてしまいます。そこで、始めたのが次の5つ。
- わからないことはわかるまで聞く
- 聞いてわかったつもりになった後、「こういう理解でいいですか?」と確認する
- その上で、実践する *2がノーなら1に戻る
- 望み通りの結果にならなかった場合、「どうすればよかったんでしょうか」「先生ならどうしますか?」と聞いてみる
- アドバイス通り実行する
- 結果が出るまで4と5を繰り返す
単純ですが、これが私が考える正しい練習の初級編です。毎回、何かを学ぶとき、すでにできている人に頼んで、この繰り返しをひたすらやっています。このサイクルがスピーディーに回るようになれば、才能の伸びは加速していきます。
この5ステップで重要なのは2と4。フィードバックを受けることです。この記事でも書きましたが、人は自分の解釈で理解します。
けれど、それが教師の意図とは違うことはよくあるもの。このインプットの誤差を修正しなければ、いくら学んでも、望む成果を出すことはできません。それを確認する方法が、先生の話(インプットしたこと)を、自分の言葉(アウトプット)して確認すること。これができれば、ほぼほぼ理解はOKでしょう。
4は実践中に重要なポイントです。学んでいる間は教科書の範囲の事例。しかし、現実は教科書通りにいかなないものです。ビギナーの間は、学んだ例題通りの課題や問題、質問が出てくれば、教えられた通りの対応で対処可能ですが、現実は、個別ケースによって対応にも違いが必要です。レアケースや例外もあるでしょう。そのとき、先生に確認する。
私もなんども聞きました。時間のかかる生徒だったので、先生方には手を焼かせましたし、「面倒な生徒だ」と思わせてしまったかもしれませんが、理解した後の伸び率を見てもらうことで、「あいつに使った時間は意味のある時間だった」と喜んでもらえたと思います。
プロフェッショナルというのは、膨大な引き出しを持っている人のことです。膨大な事例から仕事上必要な原理原則を把握しているので、あらゆるケースに短時間で対応する力を持っています。ケースごとに先生の対処法を聞けば、応用力を伸ばせます。
この5ステップを続けて得られるものは自分が理解できていないことがわかること。
学んでわかったつもりになっているのは、ほんの一部です。子供を一人育てて子育てができるようになったと思っても、次の子が全然違う性格の子供で、「上の子の育て方は全く通用しなかった」という経験がある人もいるでしょう。才能の活用も同じです。
才能を伸ばすには縦軸と横軸の両方が必要です。一人目の子育てをきっちりできるようになるのは縦軸。子育ての才能の基礎力作りにあたります。一方で、一人目の子育てで得た経験や知恵を二人目に応用するのは横軸。才能の横展開です。
才能開花とは、ある分野でのプロフェッショナルを目指すこと。持っている才能を100%活かす参考になれば幸いです。