コーチングで社員のモチベーションアップ!人材育成に応用する方法

人手不足が深刻な現在、採用活動だけでなく、人材育成にも力を入れる企業が増えています。人材育成に使えるのが、社員の自主性やモチベーションを高めるためのコミュニケーションスキルである、ビジネスコーチングです。今回は、ビジネスコーチングの基礎知識とそのメリット、そして実践方法を詳しく解説。コーチングを人材育成に応用して、社員ひとりひとりの能力を引き出してみてはいかがでしょうか。

目次

ビジネスに用いられるのは「ビジネスコーチング」

まずはコーチングの基礎知識について詳しく確認していきましょう。

ビジネスで活用されるのは「ビジネスコーチング」と呼ばれる種類

コーチングとは、人材育成における手法のひとつ。英語の「coach」(馬車)に由来する言葉で、目的地まで人を導くための手段という意味があります。1900年代からは主にスポーツ指導の分野で用いられていましたが、現在はビジネスやマネジメントなど、広く用いられるようになりました。コーチングは分野ごとに種類や特色が異なりますが、ビジネスの分野で用いられるのは、ビジネスコーチングです。

ビジネスコーチングとは、ビジネスにおける目標達成や問題解決、技術向上を助けるコミュニケーションスキルのこと。これまでのビジネスモデルのようなトップダウンの指示ではなく、同じ目線に立ったコミュニケーションにより、相手が自分の頭で考え最適な答えを導き出せるようサポートすることを指します。主に、社員教育や人材育成で用いられ、自分自身で問題を把握し、自発的に解決できる人材を育てるのが目標です。

ビジネスコーチングを行う方法は、大きく分けて2つ、社内の人間がコーチングする方法と、外部の専門企業に依頼する方法があります。社内の人間が実施する場合は、コーチングのための研修などを受け、スキルを習得してもらう必要があるでしょう。

ティーチングとの違い

コーチングと似た言葉に、ティーチングがあります。ティーチングとは、英語の「teach」(教える)に由来する、答えを教える指導法のこと。学校で行われる一般的な授業と同じ意味合いを持ちます。教えることにより成長を促すティーチングに対し、コーチングは相手に答えを考えさせることにより成長を促すものとなり、両者は似て非なるものです。

個人の可能性を引き出し、できうる最大限のパフォーマンスにつなげるコーチングは、ティーチングの学びよりも深い学びとなると言われています。また、個人の能力を伸ばすコーチングは、相手によって最適なコミュニケーションが異なるため、1対1で行うのが基本です。ティーチングとコーチングではそれぞれ適した場面や状況が異なるため、使い分ける必要があるでしょう。

コーチングで解決できることは?

コーチングによって解決できるのは、どのようなことが挙げられるのでしょうか。確認していきましょう。

モチベーションアップ

コーチングは、社員のモチベーションアップに効果的です。会社のミッションや目標をわかりやすく伝え、情報を共有、今何をすべきなのかを社員自身が考える場面を作ることで、社員ひとりひとりのモチベーションアップにつながります。終身雇用制崩壊と言われている現在、フリーランスやパラレルワーカーとなどいった働き方を選択する人も増加。生産性につながる社員のひとりひとりのモチベーションは、経営維持の観点からも重要なポイントです。

信頼関係を深める

コーチングは、お互いのコミュニケーションによって成り立つものです。コーチングにより対話の時間が増えることで、信頼関係を深めることにもつながります。話し合いを重ねてお互いの視点を明確にすることで、信頼関係が強固になるでしょう。

問題の早期解決

コーチングは、個人の成長を支援することだけでなく、組織全体の活性化や業績向上などにも活用することができます。目標を社員と共有し、すべきことを考えることにより、社員からさまざまな提案が上がるなど、社員それぞれの自発的な行動に直結。その結果、問題の早期解決につながることもあるでしょう。

明確な目標設定及び行動計画の設定

コーチングでは、現状の問題点について対話によるコミュニケーションにより検討していくため、目標設定や行動計画が明確になります。はっきりとした目標や行動計画により、社員ひとりひとりがやるべきことも明確になり、組織としての努力の方向性が定まるでしょう。

コーチングの実践方法

コーチングについて理解できたら、最後に実践方法です。どのような流れで進めていくのかを把握して、役立ててみてください。

STEP1  社員と対話をして、まずはお互いの関係性を固めておく

コーチングを進めるためには、相手との信頼関係という土台を築いておくことが大切です。社員としっかり対話をして、まずはお互いの関係性を固めておくのが第一ステップ。相手に関心を持つ、発言を否定せず認めるなどして、話しやすいという安心感を与えられるように努めましょう。信頼関係を構築できているかどうかが、コーチングによる目的を達成できるかどうかのポイントとなります。

STEP2 現状の問題点と課題を把握、解決策及び目標を定める

コーチングの土台となる信頼関係が構築できたら、次に、現在の状況を確認したうえで、目標達成を妨げる要因や課題を明確にしていきます。答えが曖昧な部分に関しては角度を変えて質問を重ねましょう。課題とは現時点で「わからないこと」と「できないこと」です。この2つに気づきを得ることができれば、課題克服や問題解決のための糸口を自分の頭で考えられるようになります。

コーチングにおいては、目標は与えるものではなく、自らに設定してもらうようサポートすることとなります。質問を通してそれぞれの思考の整理を手伝い、意見やアイデアを促し、解決策や目標を明確に定めていきましょう。できるだけ具体的にゴールを定めることで、現状と比較したときの課題がより浮き彫りになります。また、目標設定が間違っていることもあり得るでしょう。コーチングする立場から、目標設定が本当に正しいのかを確認し、間違っているなら正しい方向に向かうよう助け船を出す必要があります。

STEP3 その目標に向かって、個人及び組織でどうすべきか、導いていく

最後のステップは、目標達成に向けたアプローチ方法を模索することです。傾聴や質問などを重ねながら、現在の方法や行動ではどのようなギャップが生じるのかを想定することで、目標と現状のギャップを明確にしていきます。そして、ギャップ解消のために必要な行動や環境、人、物などの要素を、具体的に洗い出していきましょう。ギャップ解消のための要素を全て解消できるわけではないため、限られた要素の中でのアプローチを考えていくこととなります。ここまでできたら、目標達成に必要な行動や流れを落とし込んだ行動計画を立てる作業に進みます。細かくタスクを立て、小さなステップを積み重ねていくようにしましょう。ここで大事なのは、決して強制しないこと。自発的な思考や行動を促すことが、社員それぞれの成長につながります。

失敗しないコーチング導入法

コーチングはトップダウンの指示ではなく、同じ目線に立ったコミュニケーションにより、相手が自分の頭で考え最適な答えを導き出せるようサポートすること。自発的に解決できる人材を育てるのが目標といいました。

つまりコーチングの対象となるのは自分の頭で考えて最適な答えを導き出せる知識や経験をある程度持っている人材ということになります。

たとえば新入社員など、まだその状態にいない人材に対してコーチングを行なっても、知識や不足や経験不足のため、自ら答えを導き出すことができません。これでは、あなたが投げかける質問は相手のストレスにしかならないということもあります。このような場合は、コーチングの前にティーチングが必要です。

相手の状況を見極めてコーチングとティーチングを使い分けることが大切です。

まとめ

自分で考え行動できる人材を育てることは、会社の発展に欠かせない命題のひとつです。コーチングを用いて社員ひとりひとりのスキルやモチベーションを高めることにより、会社の成長にもいい影響を及ぼす要因になりえるでしょう。

ただし、コーチングの知識やノウハウを知るだけでは、意味がありません。大切なのは、社員ひとりひとりとのコミュニケーションにより、強みや才能を見出し伸ばすこと。コーチングを仲間や部下とのコミュニケーションに役立ててみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

才能 プロファイラー/才能開発コンサルタント。
「クライアントを経済的・精神的に最も豊かにする才能開発」がモットー。
著書「才能が9割 3つの質問であなたは目覚める」、「自分の秘密 才能を自分で見つける方法」(経済界)

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