今回は、ビジネスにも役立つコミュニケーションのスキルアップを目指すための心理学をご紹介します。職場や友人との関係の維持など、普段の生活の中で人と人の関わり合いは避けては通れません。上手に周りの人と関わっていくには、時にコミュニケーション能力が重要なポイントとなることもあります。コミュニケーションのスキルアップをすることで得られるメリットや、普段から取り入れたい習慣なども一緒にお届けしましょう。
コミュニケ―ションのスキルアップするメリットとは?
まずは、コミュニケーションのスキルアップをすることで得られるメリットについてチェックしていきましょう。コミュニケーションはビジネスシーンにおいてさまざまなメリットを発揮します。
職場の円滑な人間関係を構築できる
コミュニケーションがうまく取れている会社では、社員同士の距離感が程よく、うまく信頼関係が築けているため、良好な人間関係の下で仕事を行うことが可能です。そのような職場では、業務関連の会話だけでなく、何気ない雑談を交わすこともあり、穏やかな雰囲気に包まれやすくなります。結果的に、コミュニケーション不足や人間関係でのトラブルが起こりにくくなるのです。
取引先から信頼を得ることができる
コミュニケーションのスキルアップは、社内の雰囲気を向上させるだけでなく、取引先との関係も良好にする重要なポイントです。取引先の企業と上手にやり取りをすることで、信頼関係が構築され「要望をかなえてくれる」「要望をうまくくみ取ってくれる」などといった好印象を抱かれやすくなります。相手に好印象を与えることで、新規での仕事の契約や契約継続といった多くの仕事を獲得できるでしょう。また、万が一取引先との間で何らかのトラブルが発生した場合、普段からしっかりコミュニケーションを取って信頼関係を築いておけば大きな問題にまで発展せず、最小限の労力でトラブルを収拾できる可能性も高まります。
仕事やサービスの質がアップする
コミュニケーションのスキルアップをすると、相手が不快に思うことを予期できるため、先回りした発想でより質の良いサービスを提供できるようになります。また、相手の考えや要望をもうまくくみ取れるようになり、効率的に上質なサービスが提供できるでしょう。こういった質の良い仕事やサービスを提供することで、相手の満足度と印象がアップし、新たな仕事の獲得にもつながります。
コミュニケーションのスキルアップに役立つ心理学
コミュニケーションのスキルアップをするために役立つ心理学をご紹介します。すべて1度に取り入れるのは難しいので、どれかひとつからでも知識を深めて自分の物にしてみてください。
自己開示
コミュニケーションのスキルを磨くためには、まずは自己開示してみるのがおすすめです。自己開示とは、自分自身の内面をオープンにすることを指します。自分がどういった人間なのかをオープンにすることで、相手に安心感や親近感を与え、警戒心を解くことにつながるはずです。自己開示をするには、自慢話ではなくクスッと笑えるような失敗談や自分の欠点などを話すと良いでしょう。また、趣味や出身地の話題でちょっとした雑談をするのもひとつの方法です。
単純接触効果
単純接触効果とは、別名「熟知性の法則」と呼ばれることもり、何度もくり返して相手と会うことで警戒心が解け、安心感が得られるという効果のことです。3時間や4時間といったように長時間のミーティングを1度だけ行うよりも、1時間といった比較的短めの時間を使って3回、4回といったように回数を重さねるほうが相手との距離が縮まりやすくなります。数回に分けてミーティングや話し合いを行うことでマメな印象を与えることもできるため、信頼獲得に役立つと言えるでしょう。
類似性の法則
声の調子や使う言葉、仕草などを相手に合わせることを類似性の法則と言います。また、出身地や出身校、血液型やこれまでのキャリアなどの項目も、類似性の法則に活用できる項目のひとつです。この類似性の法則をコミュニケーションのスキルとして取り入れることで、相手に親近感や安心感を与え、信頼関係を築きやすくなります。「類は友を呼ぶ」という言葉があるように、お互いに似ている点が見つかれば、初対面でも自然と相手との距離を縮められるでしょう。
返報性の法則
プレゼントをされたり親切にしてもらったりなど、何か嬉しいことをされるとお返しをしたくなるものです。このギブ&テイクのような流れを返報性の法則と呼びます。この返報性の法則はマーケティングでもよく活用される手段で、まずは相手になにか与えることから始めるのがコツです。また、自分のことをさらけ出すと、相手も心をオープンにしてくれる可能性が高まるため、自己開示と併用するのも良いでしょう。日々、思いやりの心を大切にするのも、コミュニケーションのスキルアップにおいて重要な項目です。
メラビアンの法則
メラビアンの法則は、人と人が会話をする際、「言葉遣い7%」「声の調子38%」「視覚情報55%」といった割合で相手に影響を与えていることを示した法則です。つまり、会話の内容ではなくあなたがどんな様子で話しているかがコミュニケーションでは重要だということを指しています。外見やプレゼン資料を整える、キツイ口調で話すよりも柔らかい口調で、不機嫌な表情よりも優しい表情を意識するなど、相手に好感を与える言葉遣いや声の調子、表情を含むボディランゲージなどを意識してみてください。
コミュニケーションのスキルアップするために役立つこと
コミュニケーションのスキルアップを狙うために、日々習慣化しておくと役立つことをご紹介しましょう。ちょっとした努力が、ビジネスシーンでの成功の可能性を広げてくれるはずです。
毎日話題やネタを探す
仕事や雑談に役立つネタを、毎日探すのも重要です。あらゆることに対してアンテナを張り、面白いネタがないかどうかや笑えるネタを探してみてください。周囲にいる人たちの会話に耳を傾けることや、テレビやYouTubeなどから情報を取り入れるのも良いでしょう。日々取りためておいたネタが、ふとした瞬間に役立つこともあります。毎日の生活の中で話題を探すテクニックは、プロの講師でも行っていることなので、自身のスキルを磨くためにぜひ取り入れてみてください。
コミュニケーションスキルの高い人の真似をする
コミュニケーション能力に長けている人のことを真似るのもひとつの方法です。いわゆる「仕事ができる人」の真似をすると、自己流でコミュニケーションのスキルを磨くよりもより効率的にコミュニケーションのスキルアップが目指せます。実践する時は、話し方やメールでのやり取り、プレゼンなどを参考にして真似てみてください。よくよく観察してもわからないことは、直接本人に尋ねてみるのもおすすめです。また、少しだけ真似するよりも、完璧に近い形で真似できるよう努力すると、より良質なコミュニケーションスキルが身につくでしょう。
テーマを決めて練習
コミュニケーションのスキルアップを狙うには、勉強だけでなく実践も重要です。そのため、テーマを絞って知識を学び、日々の中で実践してみましょう。例えば「○○の話を10人に話す」「メラビアンの法則をマスターする」など、まずはトライしたいテーマを絞ってみてください。ひとつのテーマを極めたら、また違うテーマを決めて実践し、どんどんスキルをアップさせていきます。この毎日のちょっとした努力が、効率良く理想的なコミュニケーションスキルを身に付けるコツです。
講習会や講座に参加する
自分だけでコミュニケーションのスキルアップが難しい場合や、手っ取り早く能力を向上させたい時には、プロが開催する講習会や講座に参加してみるのも良いでしょう。講習会や講座では、ビジネスシーンで必要なコミュニケーションがわかりやすくカリキュラムとしてまとめられているため、段階を踏んで効率良く学ぶことができます。講習の中には、わからない点を質問できたり体験型の講座が開設されていたりするもこともあり、自分に合った講習会や講座を選ぶことができるのも魅力です。
まとめ
コミュニケーションのスキルアップをするには、心理学の知識やノウハウを知ることも重要ですが、才能や専門分野に会話を導くことが大切です。日々の努力を忘れずに、勉強と実践を取り入れてコミュニケーションのスキルアップを目指してみてください。テーマを絞って少しずつできることから始めてみると良いでしょう。コミュニケーションのスキルがアップできれば、きっとまた新しい世界が広がるはずです。