成功するカギは努力?才能?今注目の「グリット」について解説

成功するカギは努力?才能?今注目の「グリット」について解説

成功するための能力として、近年注目を集める「GRIT(グリット)」。日本語では「やり抜く力」と呼ばれており、目標に対して情熱的かつひたむきに取り組み、困難な状況でもあきらめずに努力する能力と表現されます。成功するかどうかは、才能や環境だけでは決まらない、と示すのがグリッドの特徴です。

この記事では、そんなグリットの考え方や高め方などを紹介していきます。スポーツ選手や著名人の事例も参考に、グリットへの理解を深めていきましょう。

目次

成功するために必要なのは才能ではなくあきらめずに努力すること

成功するために必要なのは才能ではなくあきらめずに努力すること

「成功するために必要な要素とは何か?」という議論を、これまで多くの研究者たちが行ってきました。さまざまな説が登場するなか、近年は「成功するためにはやり抜く力が必要だ」という「GRIT(グリット)」が注目されるようになっています。まずは、そんなグリットについて見ていきましょう。

成功する人に共通する「グリット」とは

グリットとは、やり抜く力のことを指します。どんなに挫折を繰り返し、困難な状況であっても、ひたむきに努力をし続ける能力を示した言葉です。近年では、成功する人に共通する能力であるといわれています。

これらのグリット理論を見出したのは、ペンシルバニア大学教授で心理学者のアンジェラ・リー・ダックワース氏。成績上位の生徒や一般企業の営業担当、過酷な教育現場で働く先生といったさまざまな分野でIQなどを測定し、「成果を出す人」の共通点を見出す研究・調査を行いました。

その結果から、成果を出して成功する人はやり抜く力、つまりグリットが高いことが分かったのです。

グリットを構成する4つの要素とは

グリットを構成する要素は、次の4つです。これら要素の頭文字を取り、「GRIT」と呼ばれています。

Guts(ガッツ):困難な状況にも立ち向かっていく度胸
Resilience(レジリエンス):挫折や逆境のなかでもめげずに立ち直る回復力
Initiative(イニシアチブ):自ら目標をかかげて取り組む自発性
Tenacity(テナシティ):最後までやり抜く情熱的な思い

なお、人にはIQのようにテストなどで測れる「認知能力」と、コミュニケーション能力や協調性などテストでは測れない「非認知能力」があります。グリットは非認知能力に分類されているため、IQや学歴などでは測れません。つまり、どれだけIQが高く才能がある人であっても、グリットの力が備わっていないという可能性も十分考えられるのです。

今なぜ「グリット」が話題なのか?

ここまでで解説してきたように、グリットで重視するのは、やり抜く力です。生まれ持った才能や環境が成功を決めるのではなく、あきらめずにやり抜く力を重視しています。ここからは、多くのスポーツ選手や成功を収める経営者が語った「努力し続ける大切さ」に焦点を当てながら、グリットについて理解を深めてみましょう。

努力して何かできるようになる人=天才

グリットが高い人物の1人といえるのが、イチロー選手です。プロ野球界で活躍し、ゴールデングラブ賞7年連続受賞や、メジャーリーグの新人賞を始めとした数々の賞を総なめにしました。そんなイチロー選手が、努力し続ける大切さを示した言葉がこちらです。

「努力せずに何かできるようになる人のことを天才というなら、僕はそうじゃない。努力した結果、何かできるようになる人のことを天才というのなら僕はそうだと思う」

周囲から見れば、生まれ持った天才的な才能の持ち主のように思えてしまいがちなイチロー選手。しかし、自分自身が決めた練習やプランを毎日積み重ね続ける姿もたびたび報道されていたことからも、努力し続ける大切さを知る人だといえるでしょう。

失敗の多くは成功するまでにあきらめてしまうから

Panasonic(パナソニック)の創始者である松下幸之助氏にも、グリットに通じるエピソードがあります。22歳のとき、当時勤めていた電灯会社を辞めて事業家としての人生をスタートした松下氏。財産や学歴、健康にも恵まれない、ないない尽くしから日本を代表する企業は生まれました。

「世にいう失敗の多くは、成功するまでにあきらめてしまうところに原因があるように思われる。」

松下氏が残したこの言葉からも、成功するまであきらめずに努力し続ける大切さが伝わってきます。ないない尽くしの始まりを見ても、持って生まれたものがすべてではないことが示されているでしょう。

世界的な成功者も成功のカギにグリットをあげる

このほかにも、Facebook(フェイスブック)の創始者であるマーク・ザッカーバーグ氏は成功のカギに「信念とグリットを持つこと」と語っています。また、Google(グーグル)の人材採用では、「強いグリットを持っているかどうかを重要視する」といわれています。

さらに、アメリカ大統領であったバラク・オバマ氏も、スピーチでグリットをたびたび登場させていました。このように、各界の著名人が行動や言葉で示し続けていることから、グリットの注目度は上がっています。

あきらめずに努力する力「グリット」を高める方法

あきらめずに努力する力「グリット」を高める方法

グリットは、特定の人だけに与えられる能力ではありません。誰もがトレーニングによって、その能力を高めていくことができます。ここからは、グリットを高める方法について見ていきましょう。

自分が興味を持っているものを見つける

グリットを高めるためには、情熱的で尽きることのない興味が欠かせません。グリット理論を唱えるアンジェラ教授がインタビューした成功者たちは、みな努力し続けることに楽しさと喜びを感じながら仕事に臨んでいたといいます。

もちろん、こうした興味は、かならずしも本業に直結したものでなくても構いません。本気で打ち込める活動を通して、グリットが育まれた結果、本業に活きてくるためです。

こうした興味がすぐに思い浮かばない人は、「自分が本当に大切に思っていることは何か?」「どんなことをしているときが楽しいのか?」などを自分に問いかけ、好きなことをはっきりさせてみましょう。

スキルを上回る目標を設定し、練習する

粘り強く続けることも、グリットを高めるために欠かせない要素です。興味を持って取り組めることが見つかったら、1つに的を絞ってとにかく打ち込み、練習を繰り返しましょう。

このとき今の自分のスキルを上回る目標を立て、弱みに意識を向けながら、弱点を克服するための練習をすることが大切です。やみくもに毎日走っていてもオリンピックに出場するアスリートになれないように、成功するためには明確な目標と意図的な練習が必要です。

目標設定と練習を繰り返すなかで生まれた、新たな改善点を克服しながら、一歩ずつ進んでいきましょう。

目的を発見・明確化する

目的が明確になっている人ほど、やり抜く力が高いということも分かっています。そのため、具体的な目的を見つけて、明確にすることは重要です。このときの目的は、自分が面白いと感じるだけでなく、「ほかの人の役に立つ」と思えるものだと、モチベーションがより高まりやすくなります。

なお、目的を見つけるためには、「こんな人になりたい」と思えるロールモデルを探すことが効果的です。「より良い人になりたい」と思わせるような生き方をしている人物を思い浮かべ、そう思える理由を分析してみましょう。

希望を持つ

グリットを高めるためには、どんな逆境であってもひたむきに前へと進める力も必要です。その源となるのが「希望」です。困難に立ち向かうときでも希望があれば、粘り強くやり遂げることができるでしょう。

希望を持つためには、まず人は成長できるという「成長思考」を育みます。同時に何事も「やってみなければ分からない」と考える、「楽観的なマインド」を保てるようにしましょう。グリッドが高い人の多くは、こうした楽観主義的な思考が強い傾向があります。

こうした思考を育むことができれば、物事を前向きに捉えられ、たとえ失敗しても「次は別の方法を試してみよう」と結果をニュートラルに受け取ることができます。楽観主義的な思考トレーニングを繰り返すと、希望を持つ力をより高めていけるでしょう。

まとめ

成功するためには、何事もやり抜く力であるグリットを高めることが大切です。才能や環境のような先天的なものではないため、誰でもトレーニングを重ねることでグリットは高められます。ただし、グリットを知識として覚えるだけでは本当のスキルにはなりません。ぜひ、自分の仕事や生活のなかで実践することで、しっかりと身につけていきましょう。

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この記事を書いた人

才能 プロファイラー/才能開発コンサルタント。
「クライアントを経済的・精神的に最も豊かにする才能開発」がモットー。
著書「才能が9割 3つの質問であなたは目覚める」、「自分の秘密 才能を自分で見つける方法」(経済界)

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