この記事では、これから自己投資をしたい人に向けて、おすすめの方法を紹介していきます。自己投資とは、将来や目標のため、自分のスキル磨きに時間やお金を投資することです。移り変わりの激しい現代では、社会人になってからも、時代に合った学びを続けることが大切です。この記事を参考に、自分に合った自己投資を始めてみましょう。
社会人に自己投資が必要な理由
インターネットの普及により、情報通信技術は急速に発展しました。これにより生まれた仕事や、そのなかで衰退していった仕事など、その移り変わりは著しいものです。
情報化が急拡大した2010年の時点で、厚生労働省が「今後の労働者の働き方」について調べたデータでも、これからは従業員に幅広い知識や技術、専門性を求めるようになると見込んだ企業が多数ありました。
こうした事例があるように、移り変わる時代に合わせて自分のスキルを磨いていくことは、社会人としての価値を維持するためにも重要といえるでしょう。
自己投資を始めるときのポイント
自己投資を始める際には、次のポイントを意識していきましょう。
給与手取りの10% を目安に投資する
自己投資にかけるお金は、給与の10％程度を目安にしてみましょう。給与が20万円ならば2万円です。これらの資金を自己投資にあてていきます。
例えば、ビジネス書などの書籍は1,000円前後で著名人の生き方や仕事術を知ることができます。マネーリテラシーを高める本や、国内外の歴史書もビジネスに活きる学びとなるでしょう。また、講演会やセミナーに参加することも、自己投資のひとつです。
なかには、自己投資の資金を捻出するのが難しいという人もいるかもしれません。しかしながら若いうち、とくに20代は生涯で稼げるお金の額を決める大切な時期といわれています。そのため、ときには自己投資を優先させることも大切でしょう。
仕事で必要とされるスキルをピンポイントで磨くこと
自己投資では、仕事で必要とされるスキルをピンポイントで磨くことが重要です。いつか役立つスキルではなく、今後確実に使えるスキルを身につけたほうが、大きなリターンを見込めるためです。
例えば、企業に勤めている方のなかには、異動によって急に海外とのやり取りが必要になることがあるかもしれません。こうしたときには、英会話スクールに通いながら、語学に関する書籍を読み込んだほうが仕事を円滑に進められます。
人前に出て話す仕事が増えたのならば、スピーチトレーニングなどを受けると効果的でしょう。お金と時間には限りがあるため、あれもこれもと手を広げるよりも、今の仕事と結びつく自己投資をピンポイントで行うことが大切です。
自己投資に失敗しないために気をつけることは？
自己投資は誰にとっても必要なことではありますが、やみくもに行ってもあまり意味がありません。失敗しないためには、次のポイントに気をつけていきましょう。
自己投資は長い目で見て考える
まず、自己投資には長期的な視野が必要です。今日始めて、明日には結果が出るというものではありません。そのため、「20代で行った自己投資が、30代や40代以降に返ってくる」というような、長い目で考える必要があるでしょう。
言葉を変えれば、自己投資は早く始めるほどよいということです。早めに自己投資をし、人生のできるだけ早いタイミングで回収を始められれば、より多くのリターンが得られます。
人生の時間は限られているため、自己投資をするべきか迷っている人は、できるだけ早めに行動に移したほうがよいでしょう。
回収できないと意味がないことを意識する
少々シビアな話になりますが、貴重な時間とお金をかけて自己投資をするならば、投資した分をしっかりと回収できなければ意味がありません。2万円投資したのならば、投資分を回収するのは最低限のラインで、そこからいかに利益を大きくできるかを考える必要があります。
かけた時間やお金が多いものほど、たとえ回収できなかったときでも「やったことに意味がある」と思いたくなるものです。しかし、そうした曖昧な姿勢はあまり望ましいものではありません。しっかりと回収できるまでが自己投資であることを覚えておきましょう。
どんなリターンが欲しいのかを明確にする
自己投資をして得られるリターンは、お金だけではありません。地位や名誉、仕事のやりがいなど、多岐にわたります。ときには、家庭や友人関係を築くための自己投資もあるでしょう。そのため、自己投資をする上では「どんなリターンのために投資するのか」を明確にしておく必要があります。
仕事で昇進したいときと、結婚をしたいときでは手段も出向くべき場所も違うように、適切な目的を設定しておくことが大切です。
今すぐ始められるおすすめの自己投資
自己投資には、さまざまな種類があります。ここからは、おすすめの自己投資を紹介していきます。
運動
自己投資というと、スキルアップに目が向きがちですが、人生１００時代と言われる今は、体の状態を健康に保ち、アクティブに動ける体をキープすることは投資です。なかでも、良質な睡眠と運動は重要です。とくに、週150分程度の運動で、睡眠の質は50％以上向上するともいわれています。
可能であれば1回30分、週2回以上の有酸素運動ができれば、学習機能や記憶能力などもアップしやすいでしょう。
語学
語学力は、就職や転職にも有利に働きやすいスキルです。とくに英語は、企業によって昇進や給与アップの条件としているところもあります。高度な英語のスキルがあれば、翻訳や通訳の副業などにチャレンジできる可能性も広がるでしょう。
また、英語のサイトが読めれば、日本語だけのときより約14倍の情報が得られるというデータもあります。情報量の面でも、語学力を磨くメリットは高いといえるでしょう。
資格取得
昇進や転職など、将来を見据えた資格取得もおすすめの自己投資です。特に自分の強みや才能に合った資格を取得すれば自己投資の価値は何倍にもなるでしょう。
ちなみに通信教育で受講できる資格取得講座「ユーキャン」では、2021年に次の資格が人気だったといいます。
1位 医療事務
2位 調剤薬局事務
3位 食生活アドバイザー(R)
4位 ファイナンシャルプランナー（FP）
5位 登録販売者
このほかにも、「マイクロソフトオフィススペシャリスト」や「宅地建物取引士」などの資格取得も人気です。自分の仕事や将来につながる資格を取得してみるとよいでしょう。
読書
1冊1,000円前後で購入できる書籍は、最もコストパフォーマンスの良い自己投資です。はじめは月に1冊、翌月には3冊と徐々に読むペースを上げていくと続けやすいでしょう。
また図書館を利用すれば、無料でたくさんの本を見比べながら必要な情報だけを得ていくことも可能です。ただビジネス書は、今すぐ知ること・学ぶことに価値があるので図書館ですぐ借りられないのなら、購入する方が自己投資としてのリターンを大きくできます。
リスキリング
「リスキリング（Reskilling）」は、将来的に欠かせないとされるスキルに特化した学びのこと。とくに、デジタル化によって新しく生まれた職業や、求められる能力が大幅に変わる職業に就く人に注目されています。
なかでも、デジタル技術を使って生産性向上を図る「DX（デジタル・トランスフォーメーション）」を導入する企業はリスキリングにも積極的です。社員を対象に、デジタルリテラシーを高める講座などを開講しているところもあります。
このように、10年先も同じ職業で価値を創造するためのスキルに特化して、自己投資してみるのもよいでしょう。
アンラーニング
「アンラーニング（unlearning）」とは、これまでの価値観を見直し、時代に合ったものに修正していく手法のこと。つまりは、時代の変化についていくためには、新しいことを学ぶだけでなく、これまでの知識を取捨選択することも大切だという考え方です。
個人でも行える手法ですが、組織単位で取り入れると変化に対応する力が高まります。組織を管理する立場の人であれば、マネジメントに活かすこともできるでしょう。
まとめ
時代が変わっても価値ある人材でいるためには、自己投資が欠かせません。とくに、若いうちに行う自己投資は貴重です。リターンを得るまでには、年単位の期間が必要になるため、できるだけ早めに自己投資をスタートしましょう。
またこれからは何歳になっても自己投資によって自分をバージョンアップさせることが求められる時代です。リスキリングやアンラーニングも取り入れながら、10年先でも価値提供できる人材を目指すのがオススメです。
