マネジメントを行う立場にある人であったり、部下や新入社員の教育を担ったりする人がコーチングのスキルを持つことは、職場のパフォーマンスアップにつながります。私も才能開発の中でコーチングを活用しています。また人材育成に限らず、社外とのコミュニケーションでもコーチングは活きるので、キャリア形成にも大いに役立つでしょう。この記事では、コーチング資格を取得するメリットや資格の選び方について紹介します。
コーチング資格とは
現在、組織開発やリーダーシップ開発などを目的として、多くの組織でコーチングが導入されています。
コーチングとは
コーチングとは、相手の自主性を促すことに重点を置くコミュニケーション手法です。
相手の話に耳を傾け、質問を投げかけたり提案をしたりすることで、相手の中にある答えを引き出し、目標達成に向けてのモチベーションアップを図ります。
コーチングの語源は、「馬車（Coach／コーチ）」であり、人を希望する場所へ送り届ける馬車のように、人が希望するところにたどり着くようにサポートするのがコーチングの役割と言えるでしょう。
コーチングをビジネスシーンで導入すると、つぎのような効果が期待できます。
〇学習能力を高める
〇考える力をはぐぐむことで、自発性や自主性を高める
〇内なる可能性を引き出す など
コーチングを行うことで、相手に気づきを促し、自発的に行動できるようにするためのサポートができるようになるでしょう。もちろん相手に向けてだけでなく、自分自身に対してセルフコーチングを行うことで、問題解決につなげるという方法もあります。
コーチングをするのに資格は必要？
結論から言うと、コーチングは国家資格ではないため、コーチになるための特別な資格は必要ありません。いずれの資格も民間団体が認定する資格だからです。
ただコーチングは人の意思決定をサポートするものであるため、確かな知識と手法でもってコーチングを行うことが求められます。そのためにはしっかりとコーチングを学ぶことは大切です。
ここからは、コーチング資格を取得するメリットやコーチング資格の選び方について紹介します。
資格取得のメリットとは？
コーチングの資格を取得するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
知識が身につく
コーチング資格の講座では、コーチングの知識を学べる座学の時間と実践の時間が設けられていることが多いです。座学では、コーチング概論や傾聴技法、承認技法、質問技法といった理論や技法を学ぶことで基礎力を養うことができるでしょう。
実践経験が積める
座学で得た知識は、アウトプットすることで身につきやすいもの。本番同様の対面トレーニングを行うカリキュラムが設定されていることがほとんどです。また資格の種類によっては所定時間の実践経験が必要なケースがあります。
信頼されやすい
名の通ったコーチングの資格を取得すれば、クライアントから信頼されやすくなります。独学で身につけた我流のコーチングではなかなかそうはいきません。プロコーチとして活動する計画がある場合は、独立に向けてコーチングの資格を取得するメリットがあります。
コーチング資格の具体的な選び方のポイントは？
コーチング資格を取得したいと思った時に、どのような点に注目をして選べばよいのでしょうか。
信頼できるスクールかどうか
資格取得には、ある程度の時間と費用が必要です。たとえば、「すぐ取得できる！」「費用が安い！」という言葉にのせられて選んでしまい、大したスキルも身につけられず終わってしまっては残念ですよね。
まずは、信頼できるスクールであるかしっかり調査しましょう。公式ホームページを確認するのは当然ですが、講座修了生から話を聞いたりSNSでの口コミなどもチェックしたりすると安心でしょう。もし、知り合いにコーチとして活躍している人がいれば、相談してみてもよいかもしれません。
自分の目的にマッチしているかどうか
どのようなシーンでコーチングを活用したいのか、自分の目的にあったスクールや講座を選ぶことが大切です。コーチング資格によってはスポーツコーチングなど分野が特化されているケースがあります。ビジネスシーンで活かせるコーチングを選ぶようにすれば、より効果的なスキルを身につけることが可能でしょう。
また、資格取得までの所要時間や費用、受講スタイルが自分の求めるものとマッチしていないと、最後まで続けることができず挫折してしまうなんてことに。
働きながら資格取得を目指すのなら、資格取得までどの程度時間を充てることができるか、オンラインや通信教育が可能かどうかなどにも注目してスクールを選ぶことをおすすめします。
講師のレベルはどうか
コーチング資格に限りませんが、講師のレベルもスクール選びの重要なポイントです。講師経験が豊富であったり、ビジネスに関するコーチングを得意であったりする講師に師事できれば、レベルの高いスキルを効果的に身につけられるでしょう。
「4つのテーマ」を学べるかどうか
ビジネスや人間関係において、重要となるのが「人間関係」「お金と豊かさ」「健康」「人生と生き方」です。質の高いコーチングを可能にするには、この4つのテーマに対応できる技法を学ぶことが大きなポイントと言えます。
4つのテーマの具体的な内容はつぎのとおりです。
〇人間関係：職場、家族、友人、子育ての効果的な作り方など
〇お金と豊かさ：経済的・精神的な豊かさの作り方など
〇健康：心身の健康を向上・維持する方法など
〇人生と生き方：目標、ミッション、価値観などの見つけ方、作り方など
どのテーマもビジネスシーンにおいて大切な要素ばかりです。４つのテーマが学べるスクールがベストです。
まとめ
コーチング資格の取得は、相手の意欲を高めるサポートをしやすくなるなどのビジネスシーンで活きるスキルを身につけることにつながります。
もちろん、ただコーチングの資格を取得するだけでは意味がありません。資格取得の過程で学んだ知識や技術を実践でしっかり活かすことが大切です。そのためには、自分の目的に合ったスクールやコース選びが必要不可欠でしょう。
コーチング資格の取得を考えている人やコーチングを使ったマネジメントに興味のある人は、ぜひ参考にしてみてください。
