こんにちは。才能心理学認定講師の川越満(かわごえみつる)です。
私が20代から心がけていることがあります。
それは「情報虫歯」にならないことです。
自分が好きな人や、仕事上読まなければいけない本だけを読んだり、講演会に参加していると、情報収集に“偏り”が出て「情報虫歯」の状態になります。歯が少ないと消化器系統に負担がかかったり、ちゃんと栄養を吸収できないのと同じように、「情報虫歯」になると、いろんな角度からの創造力を養うことができません。
それぞれの専門家が、どのようにして、その分野に興味を持ち、ハマったのか。自分が知らなかっただけで、本当に面白い分野に触れることもあれば、自分はそこに興奮しないということもあります。
11月11日にチェリストの水谷川優子(みやがわゆうこ)さんの講演会(ザ・シチズンズ・カレッジ主催)に参加してきました。
演題は「響きあい、心をつむぐ、音の玉手箱」でした。参加する前は、正直、興味があまりなかった内容でしたが、演奏つきの講演は、とても感動する内容でした。
水谷川さんは4歳のときにチェロをプレゼントされた時に、「私の味方がきた」と感じ、それ以来、チェロを「友達」として受け止めていたそうです。講演の際も「チェロがないと自分が半身なように感じる」と話していました。
ちゃんとしたレッスンを受けたのは6歳になってからだそうですが、先生から受けた言葉を敏感に受け止めて、意識が変化していったことを講演の中で紹介していました。
「今のどうだった?」「それでいいの?」という先生の問いかけに対し、水谷川さんは「自分の音に責任を持つこと」の大切さを痛感します。
また、高校時代に友人との演奏をエンジョイしていた頃には「楽しいだけなら先生かわって」と恩師に言い放たれ、「浅い楽しさ」「上っ面の楽しさ」の中にいたことを実感したと話していました。
こうした“ディープ・インパクト”(心を突き動かす衝撃的な出来事)の積み重ねにより、水谷川さんは「何のためにチェロひきになるのか?」ということに真摯に向き合い、「言語にならないことや思いをチェロにのせる」という“コア・コンセプト”に出合います。
海外での活動が多い水谷川さんが、日本に帰ってきた時に気になることがあるそうです。それは、「子どもにヒステリックに怒る母親の多さ」です。恩師にヒステリックに怒られることなく、「淡々と現実を見せられてきた」からこそ、気になる場面なのでしょう。