こんにちは! 才能心理学協会・認定講師の澤田浩一です。
もしあなたのお父さんとお母さんが家庭内別居の状態で、子どもを育てるお金を稼ぐために夜一生懸命に働いている母親の下で育ったら、どんな大人になりますか?
もしあなたが子どものときにお尻が大きいことにコンプレックスを抱えていて、
「お尻が小さいほうがいいと思う人は見栄っ張りが多いねん。(あなたの)お尻は絶対ええから。」
と言ってくれる母親の下で育ったら、どんな大人になりますか?
もしあなたが、子どものときに母親がいつも家にいなくて「こんな家やったら誰でもグレて不良になるわ」と母親に愚痴ったときに、
「どうぞグレて下さい。あんたがそうしたいんやったらママはそれでもええねん。そやけどな誰が損するの? あんたが嫌やったら、そうならへんかったらええんちゃうの?」
と言う母親の下で育ったら、どんな大人になりますか?
もしあなたが、珍しく母親が学校の運動会に来てくれたのにビリけつで、とぼとぼと母親のところに行ったら、
「よう、がんばったなあ。いちばんになるのもすごいけど、びりなのに、恥ずかしいのに、最後まで走れるあんたはほんまにすごいわ。あんたのおかげで、他の子はびりにならなかったもんなあ。いいことしたなあ。」
と言ってくれる母親の下で育ったら、どんな大人になりますか?
そんな女の子の大人への物語が和田裕美さんの書いた小説「ママの人生」に出てくる話です。
和田さんは外資系教育会社でフルコミッション時代、営業力で日本でトップ、世界142か国中2位の成績を収め、その後『世界No.2営業ウーマンの「売れる営業」に変わる本』で20万部のベストセラーになり、女性ビジネス書作家の先駆けと呼ばれた人です。
その彼女が提唱しているのが陽転思考という考え方。
これは自分にネガティブなことがあっても「無理に明るくしなくていい、不安になってもいい、泣いてもいい」とネガティブな感情を受け入れ、ただしそのままずっと「どろどろした暗い居場所」に居座ることはやめて、その中からプラスを探して切り替える考え方のことです。
例えば上司から怒られたときに「とてもつらいなあ」という落ち込んだ気持ちをいったん受け入れ、そのあとに「怒られて良かった。なぜなら・・・・」とそこからたくさんの良かったを探し出していきます。
陽転思考のベースにあるのが「幸せになるために自分が選ぶべき道はどっち?」ということ。
考えてみれば人生は常に選択の連続です。
和田さんは一日1度の選択をしたとしても1か月で約10億7000万通りの選択があると言います。
つまりそれだけの人の生き方もあるということです。
何か不幸なことがあると、泥沼に入ってそのことをついつい忘れがちになるのですが、「じゃあ次にどんな選択をすれば自分は幸せになるだろうか?」と考えることはとても大事なことだと思います。
自分の才能を開花させるときによくぶつかるのが、「自分は認められないんじゃないか」「うまくいかないんじゃないか」「できないんじゃないか」という不安や恐れ。
陽転思考の考え方はそういった不安や恐れに取り組むときに役立ちます。
和田さんの初小説「ママの人生」はそういう陽転思考の原点を垣間見るような本でした。
最後に、
みなさんはどんな子ども時代を育ってきたのでしょうか?
そしてそこからどんな考え方や価値観を得たのでしょうか?
それらはみなさんの幸せにつながっていますか?
この小説を読んでご自身のを振り返るきっかけになることを願ってやみません。
ちなみに私はこの小説、直木賞を狙えるんじゃなかなあと密かに思ったりしています。