アイリスオーヤマから学ぶ経営者としての才能の活かし方

こんにちは! 才能心理学協会・認定講師で二代目経営者の澤田 浩一です。

二代目である皆さんは、経営理念をご自身の経営の中で、どのように位置付けられていますか?

経営理念は、私たちの会社がどういう会社であるのか、なぜ社会に私たちが必要なのかを現したものです。

お客様や仕入先をはじめ、多くの方に私たちの会社がどういう会社であるかを理解していただくためのものであり、また社員がひとつの方向に向かって進むための指針となるのが経営理念です。

 

実は、私が先代から会社を引き継いだときは、当時勤めていた別の会社を辞めて入るのと同時に、先代からは何の引き継ぎもありませんでした。

そのため会社をどう回していくかで精一杯で、経営理念の大切さについては全然わかってはいませんでした。

経営理念に頭が回るようになったのは、ようやく自分色の経営ができるようになったときです。
自分らしい経営のやり方をどのように社内に浸透させるかを考えたときに、はじめて経営理念に行き着き、経営理念の見直しを行いました。

 

二代目である皆さんの中には、創業者から引き継いだ経営理念をそのまま大切に使っている方も多いと思います。

なぜなら経営理念には創業者、つまり皆さんのお父さんやお母さんの想いが詰まっていて、後継者であり、かつ子どもでもある私たちは、父母の想いを大切にしたいと思うからです。

ですが、後継者として事業の発展を目指すとき、自分の価値観や自分のやり方を経営理念に反映させ、社内が向く方向をひとつにしていく、というのも私はありだと思います。

むしろ二代目はそうすべきだと思います。

 

経営理念は社外に表明するものでもあるので、最低限、文言に入れるべきこともありますが、皆さんの大事な価値表明の場でもあります。
その意味からは事業環境の変化や経営者として皆さんが出会った出来事から、何度も見直して皆さんの価値表明を行ってもよいと思います。

 

もちろん経営理念を見直したからといって、会社が直ちに変わるわけではありません。

経営理念を実現するために、会社にしくみを作る必要があります。

 

例えば先日「私の履歴書」を出版されたアイリスオーヤマの大山健太郎氏。

 

大山氏は19歳のときにプラスチック成形の工場を経営していたお父さんが亡くなり、後を継がれました。

そして単なる下請けで社長の人生を終わりたくないと、下請けからメーカーとして漁業用ブイから農業用品に進出、会社を大きくされました。

 

ところが石油危機に会い、倒産の危機へ、やむを得ず発祥の地である大阪の工場と社員を解雇し、宮城県の工場に事業を集約し、立て直しを図ります。

 

そのような体験で大山氏が強く感じたのは二度と社員のリストラはしないということ。

 

アイリスオーヤマの経営理念の一番目には、

「会社の目的は永遠に存続すること。いかなる時代環境に於いても利益の出せる仕組み確立すること。」

と書かれており、大山氏のそのときの強い思いが反映されています。

 

そして利益を出し続けるために大山氏は、

・問屋に商品を販売するのではなく、その先の顧客であるホームセンターに直接納入すること(大山氏はそれをメーカーであると同時に問屋(ベンダー)でもあるという意味でメーカーベンダーと呼んでいます)、

・ホームセンターに直接納入するための物流の仕組みを作ること、

・そして世の中にまだない新しい商品を次々と開発し、メディアを使った消費者の需要の開拓を行う、

といった仕組みを作り上げていきました。

 

それが従来のプラスチック成形品であるガーデニング用品を始め、ペット用品や家具インテリア、LED照明や家電など、様々な商品群を扱うアイリスオーヤマの今日の発展へとつながっています。

 

才能心理学では、自分が強く体験した出来事から生まれた価値を世の中で実現するための能力を才能と呼んでいます。

才能を発揮するためには、自分が得た価値を表明し、それを実現するための行動を起こすことが必要です。

経営もまた同じです。

経営者としての価値表明である経営理念から、それを実現する仕組みづくり(行動)へ。

それは理にかなった経営のあり方ではないかと思います。

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この記事を書いた人

精神科ソーシャルワーカーを経て、経理・総務・人事等の業務に従事後、2001年より計測器メーカー㈱サワダ製作所を経営、中小企業経営者のパートナーとして才能心理学、TOC、NLPを使った組織作り支援を展開。

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