才能を活かしブランド力を作れる企業だけが生き延びる理由

こんにちは! 才能心理学協会の認定講師で二代目経営者の澤田浩一です。

 

私が経営している会社では、新しい人材はその時々に応じて必要な人を採用しているのですが、キーパーソンとなる人については私が必ず面接します。

そのときに必ず行う質問がその人の応募理由。

応募者のみなさんの答えは人それぞれなのですが、もしそこで「御社は(業績の)安定している会社なので」という答えしか返ってこなければ、私の中では黄色信号が灯ります。

 

なぜなら業績の安定性が意味するところは弊社のブランド力に寄るものだから。

そしてもし彼がそのブランド力に魅かれてやってきているのだとしたら、「おい、おい、あなたは本当にそれで良いのかよ」と思ってしまうのです。

 

ブランド力というのは私たちがお客様に提供する価値に対して、「この会社ならだいじょうぶ」だと信頼をいただいていること。

このこと自体はとてもありがたいことなのですが、問題はそこで働く人の意識です。

 

「自分たちで会社のブランド力を作る、あるいは高める」ということと、「すでにあるブランド力の下で働く」ということは意味が異なります。

 

「ブランド力を作る、高める」という行為は、自分たちが何をしたいのか、お客様にどういう価値を提供したいのかをきちんと知り、そのために主体的に行動するということ。
自分たちの価値観(コア・コンセプト)と能力、行動に一貫性があることが大切になります。

 

一方、すでにあるブランド力に魅かれて会社の下で働くということは、先にブランド力がありき、ということ。自分自身がどうしたいかという前に、そのブランド力に頼り切り、安定して給料がでればそれで良い、と受け身の働き方になります。

 

会社でそういう社員が増えてくると会社全体がすでにあるブランド力に頼ってしまい、都合が悪いことが起きなければそれでOKという意識になりがちです。
平たく言えば、危機意識が起こらず、事なかれ主義になってしまうということです。

企業の永続性を考えれば、それが良い姿だとは私には思えません。

なぜならそこから生まれるのは競争力の低下、下手をすれば品質のクレーム隠しやコンプライアンス軽視から起こる不祥事も起こり得るでしょう。
その企業のブランド力を頼って人が集まっているのに、なんたる皮肉な結果でしょうか。

 

企業の役割はいかにお客様が満足できる価値を提供し続けることができるかということにあります。
つまりブランド力というものは絶えず作り、高めていかなければならないのです。
だからこそ企業にはイノベーションが絶えず求められています。

 

社員が企業のブランド力に頼ってしまい、危機意識を失うことはその企業にとって衰退の始まりです。

それはそこで働く個人にとっても心の老化につながります。

心の老化というのは、自身の本当にやりたいことがわからず、受け身で事なかれ主義で責任を取れない社員になるということです。
官僚主義とも人は言います。

 

心の老化を防ぐには自分がやりたいことが何なのかを振り返り、これから何をすべきか、そのために必要な能力は自分にあるのか、もしなければどうやって身に着けていくのか。
そういったことを定期的に見直すことが必要です。

そして心の老化を起こさず、自分の才能を活かして会社のブランド力を作り、高めていく人たちが集まる企業だけが、これから生き残ることができるのではないかと思うのです。

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この記事を書いた人

精神科ソーシャルワーカーを経て、経理・総務・人事等の業務に従事後、2001年より計測器メーカー㈱サワダ製作所を経営、中小企業経営者のパートナーとして才能心理学、TOC、NLPを使った組織作り支援を展開。

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