あけましておめでとうございます! 才能心理学協会・認定講師で二代目経営者コーチの澤田浩一です。
新年を迎え、気分も新たに今年の目標を立てる方も多いと思います。
ところが問題は、立てた目標がなかなか達成できないこと。
年明けには「ああしよう」「こうしよう」と思っていても、年の瀬になると「また出来なかったわ」と嘆く人もいるのではないでしょうか?
これが私個人だけのものであれば、影響も私一人だけなのでしょうが、こと「会社」という組織に関することになるとそうはいきません。
社員の生活や場合によっては取引先にも影響します。
二代目経営者にとって目標の立て方は悩むところです。
そこで目標を立てるときに使うマジック・クエッションをひとつお伝えしたいと思います。
それは「なぜ?」という問いを発することです。
会社の目標と言えば、
「今年の売上は○○円」とか、
「今年使うお金は××円」
「今年は□□の行動をとる」
とかを皆さんはイメージすると思います。
従って目標を立てるときは、ついそこだけを考えがちになります。
でもそういった目標には経営者や経営幹部の希望的観測や願望も入りがちです。
目標を達成するための行動計画を立てる会社もありますが、目標そのものに希望的観測や願望が入っているので、達成できるのかどうかは自然とあやふやなものになってしまいます。
だから「なぜ?」という問いを、目標を立てるときに発して欲しいのです。
「なぜこの売上をわたしたちは達成しないといけないのか?」
「なぜこの製品を顧客Aに取り扱って欲しいのか?」
「なぜこの製品を開発しないといけないのか?」
「なぜこの業務をしなければならないのか?」
なぜなら「なぜ?」を問うことで、硬直したアイデアを捨て去ることができるからです。
そしてみなさんが本当に望んでいること、欲していること、考えていることはどういうことなのかが見えてきます。
それは二代目であるみなさんの才能を活かすことにもつながります。
なぜなら才能とはみなさんが本当に望んでいること、欲していること、考えていることから生まれるからです。
さらには今まで気づかなかった新しい視点に気付くことができます。
実際に「なぜ?」を問うことを奨励している会社をご紹介しましょう。
例えば、ブラジルのセムコ社。
TEDでも有名なセムコ社のCEO、リカルド・セムラ―氏は二代目経営者で、6年間の短期間で売上を3500万ドルから2億1200万ドルまで成長させた名経営者です。
彼はセムコの購買で見習いとして働いたときに社員が時間通りに働いているのを監視する仕事に「なぜ?」を感じたそうです。
「なぜ、社員は時間通りに働かないといけないのか?」
「なぜ、社員はオフィスで仕事をしなければならないのか?」
「なぜ自分は(上司として)社員を監視しなければならないのか?」
そして彼は「残りの人生を、こんな仕事(社員を監視する仕事)をして過ごすのはまっぴらだ!」と思い、社長になったときに勤務時間や勤務場所、給与までも社員が自分で決めることができるようにしました。
彼が社長になった後、セムコ社は多角化経営で成功しますが、新しい分野に出るときや新しいことをするときは必ず社員と共に「なぜ、この事業を行うのか?」「なぜこれをしないといけないのか?」を問うことから始めることが成功の秘訣だと述べています。
前回取り上げたGoogleも「なぜ?」を問うことを大切にしている企業です。
創業者であるラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンは二人とも父親が大学教授で、母親が科学関係の仕事。
何事にかけても議論を尽くすような家庭に二人は育ちました。
そして二人に共通しているのはモンテッソーリ教育を受けたということ。
モンテッソーリ教育というのは子供に何かをしろと指図しない、子供の自主性を重んじる教育方法です。
小さい子供は「なぜ?」という質問が多いですが、モンテッソーリ教育は子供の「なぜ?」を大切にする教育方法。
彼ら二人も「なぜ?」を問うことをずっと大切にしてきました。
だからこそ誰もが考えつかなかった検索方法を思いつき、Googleを世界的な企業に成長させることができました。
Googleが全員の目標を見える化をしたり、全社員で行うミーティングを設けたりするのも社員がお互いに「なぜ?」を問うことで、自由な発想や創造性を発揮できるような環境を作るためのものです。
私も昔は理由を説明することもなく「3年間で売上〇億円」とか言っていました。
おかげで社員は目標達成のために、数字に追われて大変だったろうと思います。
目標を立てるとき、「なぜ?」を問うことをぜひやってみてください。
本当に自分が望んでいること、欲していること、考えていることが何なのかに改めて気付き、それを社員に伝え、ともに歩むことこそが目標達成のための推進力になり、みなさんの才能発揮につながります。