「仕事で成果は出てるけど満足できない」という方が相談にきました。
話を聞くとスキルも高く、周りからの評価もいい。成果が出ているのでポジションもある。収入も同年代のビジネスパーソンに比べれば高い。けれど「満足感」がないとのこと。
収入やポジション、肩書きという他人から見て分かりやすい基準で平均点を上回っているわけですから、「転職しようか、独立しようか」と相談しても、「もったいない」「贅沢な悩みだ」と言われ、家族にも友人にも理解されず、孤独感が募っていました。
私も独立前に同じような感覚を持ったことがあるのでこの気持ちはよくわかります。
彼らはもともと行動力があるので色々試してみるものの、なかなかしっくりくるものに出会えない。「本当にこの仕事が自分がやりたい仕事だろうか?」、その答えを見つけるために、才能心理学を学びに来る人は結構います。
なぜ、この種の悩みが起きるのかといえば、「成果と満足」の両方を満たすための3つの要素の内、1つが抜け落ちているからです。
「成果と満足」を満たすための要素は次の3つ。
1)求められること
2)できること
3)やりたいこと
成果を出す人は1と2を組み合わせるのは得意です。自分一人でできなければ人に協力してもらって、成果を出すのも得意です。ただ1つ苦手なのが「自分がやりたいこと」。つまり自分の感情や欲求を察知するのが苦手なのです。
特にビジネスは相手のニーズに応えること。自分がやりたいことはお客さんにとっては基本的にどうでもいいことです。そのことをよく知っている仕事ができる人ほど、相手を喜ばせることにフォーカスするので、成果を出すのですが、一方で、自分の感情を置き去りにし、「これが本当に自分がしたい仕事なんだろうか?」とわからなくなってしまうのです。
才能の研究をしていてわかったことは、才能を開花させ、成功も手に入れている人はこの3つが一致するポイントを見つけて、ビジネスやキャリアを選んでいるということです。
一番大きな違いは、一時的に今興味が湧いたような浅い欲求ではなく、昔からずっと興味があったことややりたかったことを仕事に選んでいるということ。才能心理学では、この感情や欲求を「才能の源泉」と呼んでいます。
「才能の源泉」が満たされる仕事選びがなぜ大切なのか?
それは他人の評価や地位やポジション、収入をどれだけ手に入れたとしても、あなたが満足感や幸福感を感じられなければ、仕事をする意味や価値を感じられないからです。
「成果と満足」を満たしている人は、自分と他人のニーズの両方を満たしている人のことです。
意味や価値を感じられなければ、続けるモチベーションもわかず、才能の伸びも止まるもの。成果を出しているのに満足感がないという方は、「成果と満足」を手に入れるために、まずは「やりたいこと」、つまり自分のニーズに目を向けてみてください。