こんにちは! 才能心理学協会・認定講師で二代目経営者の澤田浩一です。
先日、家でジャパネットたかたのテレビショッピングを見ていたのですが、伝え方がうまいな~と改めて感心しました。
取り上げていたのが某メーカーのサイクロンクリーナー。
番組では8年前に発売されたクリーナーにじゅうたんのゴミを全部吸わせた上で、そこに新商品のクリーナーをかけ、さらに目に見えないゴミが吸引されるところを見せて吸引力の優秀さを伝えていました。
消費者に買わせたいと思わせる臨場感のある伝え方です(しかも安く感じる!)。
ジャパネットたかたの創業者はテレビでお馴染みの高田明さんです。
先日発売された高田さんの自著「伝えることから始めよう」には、高田さんが勤めていた会社を辞めて、お金もなくなり、行くところもすることもなかったことからお父さんの始めた写真館に入り、そこから独立してジャパネットたかたの創業に至った経緯が詳しく述べられています。
才能心理学では、人は「ある人」と「ない人」に分かれます。
「ある人」とはすでに世の中にある良いものを与えられ、もらってきた人。
例えばお金があった、欲しいものが買ってもらえた、行きたい学校に行けたなど経済的な環境があったとか、両親や祖父母からの愛情があった、自由があったなどです。
反対に「ない人」とは世の中にある良いものを与えてもらえなかった人。
お金がなかった、自由がなかった、両親などからの愛情がなかった、安心がなかったなどです。
高田さんの著書を読み、私は高田さんは「ある人」だと思いました。
お父さんに存在感があり、お母さんが優しく社交的で、ご近所はみんな仲良し。
「三丁目の夕日の世界」で育ったと高田さんは言います。
そういう人は世の中から良いいものをもらい、世間に感謝して生きる人です。
世間に感謝して生きているので世の中に良いものを作ったり見つけたりして広めようとします(実際、高田さんの仕事は商品の良さを伝えることです)。
高田さんの本を読むと「一生懸命」という言葉や「今を生きる」という言葉がたくさん出てきます。
一生懸命勉強し、入った会社でも期待に応えようと全力で働き、社長から大切なことを教わります。
お父さんの写真館に入ったあとも環境に順応して常に全力をつくそうと一生懸命働き、現像の注文をとるためのフィルムを集めようと取次店の制度や当日サービスなどの工夫を重ねます。
そして人の輪が広がってカメラが売れ、やがてビデオカメラからカラオケ、ワープロへと取り扱う商品が広がり、独立後は商品のアイテムを増やしながらラジオショッピングからテレビショッピングへ、そして紙媒体やインターネットなども加えたメディアミックスを使った方法にシフトし、現在のジャパネットに成長しました。
高田さんは著書の中で「商品をモノとして紹介するのではなく、日々の暮らしを豊かにしたいと思っている人たちに、その願いをかなえる商品の使い方を説明する、その商品から得られる快適さや楽しさを、わかりやすく伝える」ことを心掛けてきたと言います。
これは「ある人」が世の中に感謝して広めていこうとする姿勢そのものです。
高田さんはジャパネットたかたの創業者ですが、お父さんの写真館から、ということを踏まえれば二代目とも言えます。
二代目経営者は育った環境から「ある人」が多い。
二代目経営者は自社にすでにある商品の良さや価値、自社の役割を世の中に広めていくことが使命のひとつです。
では二代目はそのためには何をしなければならないでしょうか?
高田さんは伝えるには先に人間性を磨かなければいけないと思うと述べています。
なぜならば人間性の良さが伝わらなければ人はその人を信用しないからです。
そのためには高田さんがしてきたように目の前の課題をひとつひとつ一生懸命取り組んでいくことが必要なのでしょう。
そうすると自然と次の課題が見えてきます。
目の前の課題に一生懸命取り組むことで自分の人間性を磨き、世の中に伝えていくことが「ある人」である二代目経営者の究極の才能の伸ばし方だと思います。