こんにちは! もうすぐ54歳になる才能心理学協会・認定講師の澤田浩一です。
今月はじめのブログで50才代から才能を開花させる方法について述べました。
50才代から才能を開花させるポイントは、
1.自分が本当にやりたいことに気がつくこと
2.自分が今まで身につけてきた能力を棚卸してみること
3.自分の培ってきた能力を掛け算で組み合わせてみて、これから何ができるかを考えること
の三つです。
ところが50才代に才能を開花させるにはひとつ大きな障害があります。
それは収入が減ることへの不安です。
50才代は戦後の日本の復興を支えてきた団塊の世代の次の世代。彼らが敷いてきた線路の上を歩いてきた世代です。
内申書の成績で進学できる学校が決まり、共通一次試験で進路が決まる世代。
「バブル」という上だけを向くような時代を経験し、「良い学校を出て、良い会社に入り、出世するのが幸せ」だと感じる世代です。
当然のことですが、すべての50才代が出世できるわけではありません。
40代、50才代に入ると、組織の中で出世ラインに乗れるかどうかのふるいが待っています。
出世ラインに乗れなければ収入は頭打ち、もしくは減っていきます。
現在の50才代は「これ以上出世できない=収入減」という不安を抱えています。
前回述べたようにフリーランスになる、あるいは自分で事業を立ち上げるのは更にリスクを感じるのです。
元朝日新聞・編集委員の稲垣えみ子さんもそういう一人。
良い学校を出て、良い会社に入るのが良い人生だと信じてきた方です。
そして常にワンランク上を目指して良い服や化粧品、エステ、グルメなどにお金を使ってきたそうです。
ところがいくら買い物をしても満足しない。買い物から帰ってきて袋から服や靴を取り出すのがおっくうになるけれど、買い物しないとリッチになれないと感じてしまう経験をされています。
そして40才代になり、自分が出世ラインに乗れるのかどうか、社内の人事異動の発表の度に心がざわつき、暗くなったそうです。
彼女はこのままではやばい、という危機感を持ちながら過ごしましたが、高知のデスクへの赴任が決まったときに転機が訪れました。
高知では仕事が忙しくてお金を使う暇がないという環境に身を置き、農産物の直販所で見た豪快な農作物や、山歩きを通して知った自然の豊かさから、お金がなくても自分はハッピーになれるということに気が付きます。
そして稲垣さんは新聞社を辞め、自身の体験を「アフロ記者が記者として書いてきたこと。退職したからこそ書けたこと。」(朝日新聞出版)や
「魂の退社 会社を辞めるということ。」(東洋経済新報社)に執筆しています。
稲垣さんから学ぶことは、50才代が自分の才能を活かして充実した人生を送るためには、子どものころから身についた「収入増=幸せ」という方程式から抜け出すこと、現在ある収入でどのようにライフバランスを取っていくのかを考えることです。
実際、稲垣さんは福島の原発事故を機に、電気の使用量を半分にして生活するという取り組みに挑戦されています。
ちなみに稲垣さんの頭はアフロです。
アフロは彼女にとって競争でワンランク上を目指す世界から抜け出た、自由の象徴です。
(アフロにしてみて以前よりモテだしたと彼女は言います。)
才能とはとんがりです。とんがり以外のものは捨て、自由になって何かに集中するということです。
今まで捉われてきた思い込みや価値観を見直し、自由な視点で本当に自分がしたいことに沿って能力を伸ばしていくことが50才代の才能開花の秘訣だと私は思います。