才能を見つけるには、自分の感情・行動・能力のつながりを客観視することが重要でした。一方で、ビジネスで自分の才能を活かし、お金に変えるには、他人(顧客)の感情を知ることがポイントになります。
仕事の本質は価値の交換です。どんな分野でも顧客のニーズ(感情)に応えられる人は収入が高いもの。彼らは自分の才能(それを具体化した商品やサービス)とお金を交換できる人です。つまり才能をお金に変えるには、交換能力を上げることです。
働き方の選択肢としては、
- 今の会社で活かす
- 転職する
- 副業を始める
- 起業する
があるので、才能をお金に変えることを考えると、すぐに働き方を変えようとする人もいます。しかし交換能力が低ければ、焦って転職や起業しても、受け取る収入が低くなることも少なくありません。
では、交換能力を上げるにはどうすればいいのでしょうか? いろいろな方法がありますが、この記事では基本的な2つの方法を説明しましょう。
才能をお金に変える2つの方法
交換能力を上げるには2つの方法があります。
- 自分の才能を伸ばして、他にはない商品・サービスを提供する
- 顧客のニーズにあった商品・サービスを才能を活かして提供する
(1)はビジネス用語でプロダクトアウトといわれる手法です。会社の方針や作りたいもの、作れるものを基準に商品・サービスを作り、 プロダクトを作ってから、どのように販売していくかを考えるスタイルです。個人でいえば、好きなことを仕事にするワークスタイルです。
たとえば、「こんな美味しいチョコは食べたことがない」と言われるようなチョコを作る才能を伸ばした人がこのタイプ。大阪でいつも利用しているセミナー会場の近くあるチョコ専門店「ショコラトリー ココ」はまさにこのタイプです。
(2)はビジネス用語でマーケットインといわれる手法です。プロダクトアウトとは逆で顧客の意見・ ニーズをヒアリングし、商品・サービスを作っていきます。個人でいえば、やりたいことより、会社や顧客から求められることに真摯に応え、評価を上げて収入をアップさせていくワークスタイルのことです。
- 自分の才能を伸ばして、他にはない商品・サービスを提供する → プロダクトアウト
- 顧客のニーズにあった商品・サービスを才能を活かして提供する → マーケットイン
一般的には顧客のニーズをヒアリングして、それに合った商品・サービスを提供するマーケットインの方がうまくいくと言われています。ただ、ロングテールといわれるように、ネットやテクノロジーの進化で、少数でもコアなファン(顧客)がいれば、商品・サービスをダイレクトに販売できる時代です。
好きなことを仕事にする!というメッセージが増えているのは、テクノロジーの進化がプロダクトアウトをしやすくしているからです。
才能を活かして収入を得る方法
才能を活かして収入を得るという観点からいえば、
(1)のプロダクトアウトは好きなことや好奇心を追求した結果、商品・サービスができるので、自分と似た人が顧客になる傾向が強くなります。いわゆるこだわり商品・サービスです。
あなたの才能の源泉が、他人があまり興味を示さないものに対する好奇心なら、プロダクトアウトが向いているでしょう。
もちろん、このタイプの人でも大きなビジネスをしている人はいます。それは彼らの興味と時代のニーズが一致したからです。たまに「ようやく時代が俺の感性がついてきた」という人がいますが、彼らはプロダクトアウト・タイプです。*時代のニーズに興味がある方は「自分の秘密 才能を自分で見つける方法」をご覧ください。
(2)のマーケットインは顧客のニーズをヒアリングして作るので、そのニーズを持っている人であれば、理論上、誰でも顧客にすることができるので、マーケット(顧客数)は大きくなる傾向にあります。その分、ビジネス的には競合が増えますが、人を喜ばせたいという才能の源泉を持っている人は、才能を伸ばしてマーケットインを選ぶ方が向いているでしょう。
つまり、どんなビジネスやマーケティングを方法を選ぶのかということにも才能の源泉が影響するのです。
最後に幸福について
プロダクトアウトとマーケットインという方法を紹介し、向き不向きの傾向を紹介してきました。才能をお金に変えるという点からいえば、売り上げや収入が増える方を選ぶのが正解です。
しかし、私たちがお金を稼ぐ目的は幸福になるため。自分らしさや才能の源泉と相容れない手法・ノウハウを取り続けると幸福度は下がってしまうものです。仕事のやりがいが続くのも、働いている時間が幸福だから。お金と幸福のバランスを考えながら、人生100年時代を楽しく生きられるワークスタイルを確立してください。