楽天の創業者から学ぶ二代目経営者の才能の活かし方

こんにちは! 才能心理学協会・認定講師で二代目経営者コーチの澤田浩一です。

 

二代目が後を継いだあと、経営がうまくいくケースとうまくいかないケースがありますが、その違いは何だと思いますか?

 

もちろん継いだ時の景気の良さ・悪さなどの外部要因もありますが、うまくいくケースの場合、ある共通点が見られます。

それは、先代である親の価値観をありのまま受け入れ、良いところを真似していることです。

 

例えば私の場合、創業者から受け継いだ価値観は「信頼」です。

創業者である父はまだ明治の雰囲気が残る大正2年生まれ。

頑固一徹でいったん言い出すと梃子でも動かない人でしたが、大切にしていたのはお客様との約束は守ること、そしてそこから生まれる信頼を大切にしていました。

その父が定めた経営理念は「信頼される会社、信頼される製品、信頼される人たれ」です。

父は私を厳しく育てましたが、そのお陰か、私もお客様からの「信頼」を守ることを大切にしています。

製品にクレームがあったとき、取引上のミスがあったとき、お客様から「サワダらしくないミスだよね」と言われるときがあります。

そういうとき、私は今まで培ってきた「信頼」が崩れたというサインが出たと捉えます。

そして信頼回復に何ができるかを真剣に考えます。

「お客様への信頼」という価値観を父から受け継いだからこそ今の経営者としての自分があるのだなあと思います。

 

創業者の場合でも両親の価値観を受け入れ、それを活かしている方がいます。

例えば楽天の三木谷浩史氏。

 

 

三木谷氏は1965年、神戸生まれ。三人兄弟の末っ子です。

子どものころからわんぱく小僧で遊んでばかりいて成績も悪かったのですが、奮起して一橋大学へ進学。

卒業後、日本興業銀行に入行、同期中最速でハーバード大学に留学し、MBAを取得。

その時に起業家精神に触れ、帰国後、阪神大震災で叔母夫婦を亡くしたことをきっかけに、人生は有限だと感じ、起業を決意しました。

30歳で興銀を辞め、当時はまだ流行っていなかったインターネットショッピングに目をつけ、ショッピングモール「楽天」をスタートさせます。

 

そんな三木谷氏が影響を一番受けたのは彼の父親である三木谷良一氏です。

良一氏は神戸大学で著名な経済学者として知られていました。

ものごとの本質について語るのが好きで、「そもそも、それは」が口癖だったそうです。

そして三木谷氏が子供のころから家族の間では政治や経済、日本の行く末についての会話がごく普通のように交わされていました。

三木谷氏もそんな父親を尊敬し、大学を卒業して興銀に入行するとき、楽天を創業するとき、TBSを買収しようとしたとき(この買収は失敗しますが)など人生の岐路に立ったときには必ず相談していたそうです。

父親との会話の中で三木谷氏は本質的なところからビジネスを見つめ、知恵を積み重ねていったのだと思います。

そしてその積み重ねが現在の巨大企業・楽天を作りあげました。

三木谷氏自身、父親のことを次のように言っています。

「父は僕のスーパースターでした」と。

 

ちなみに父親の良一氏は「企業は創造的破壊(イノベーション)を続けないかぎり生き残ることはできない」と述べた経済学者シュンペーターを評価していました。

そして楽天の経営理念も「イノベーションを通じて人々と社会をエンパワーメントすること」です。

ここでも良一氏の影響を見ることができます。

 

二代目であるみなさんは創業者である両親からどのような面を受け継いだでしょうか?

 

・みなさんの両親の長所は何でしょうか? 短所は何でしょうか?

・みなさん自身の長所は何でしょうか? 短所は何でしょうか?

・両親からどのような価値観を引き継いだと思いますか?

・また引き継いだ価値観を二代目であるみなさんはどのように活かしていきますか?

 

ぜひ一度振り返ってみてください。

 

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この記事を書いた人

精神科ソーシャルワーカーを経て、経理・総務・人事等の業務に従事後、2001年より計測器メーカー㈱サワダ製作所を経営、中小企業経営者のパートナーとして才能心理学、TOC、NLPを使った組織作り支援を展開。

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