「才能は切望感から生まれる」
「夢は、心の中の最も暗い部分から生まれる」
これは偉人の研究をしてわかった才能が生まれる1つの心理メカニズム。
先日、放送された市川猿之助さんと佐藤健さんの対談、TBSの「アシタスイッチ」。 http://hicbc.com/tv/ashita/20120902.htm
この対談で猿之助さんが語った話に耳が釘付けになった。
◆市川猿之助
「僕は佐藤健は天才だと思うんだよね」
「今まで大きなことを成し遂げた歴史上の人物の伝記を読むと、なぜ、それだけ大きなことができたのか?」
「それは例えば生い立ちに非常に暗い影、常に心に闇がある。心のなかに空いた大きな穴を埋めるために、これをやってもまだ埋まらない、まだ埋まらないとやった結果、気づいたら超大きいことをやっていた」
「それがすごかった」
「でも、健と今まで何回か話して、そんなに大きな闇を抱えているようにも見えないし、聞いたことないし、果たして闇があるのかどうか?」
◆佐藤健
「いや、そういう話を聞くと、天才じゃないんだと思います。普通なんだと思います」
◆市川猿之助
「一見、天才に見えない」
「普通なんだな」
「そういう意味で言うと、隔絶があると思うんだよね」
「今までの世代と」
「昔は苦労しなきゃ役者はできない」
「でも、超恵まれていてもできますよ、みたいな。」
◆佐藤健
「僕からすると、闇を抱えている人たちを尊敬する」
「勝てないなと思う」
◆市川猿之助
「でもね、人間としては闇は抱えないほうがいいと思うよ。俺は(笑)」
◆佐藤健
「そうですよね(笑)」
「ゆとりか、ゆとり世代だ(笑)」
この話を聞きながら、思い出したのが、十数年前に聞いたメンターの言葉。
「傷ついたヒーラーの時代は、私達の世代で終わりだ」
猿之助さんは、佐藤健さんに新しい可能性を感じたのでしょう。
私が佐藤健さんを知ったのは、大河ドラマ「龍馬伝」。その時演じたのは、人切り以蔵と呼ばれる殺し屋役。そして、現在公開中の「るろうに剣心」も殺し屋役。闇を抱える二人の人物を見事に演じきったのが、佐藤健という俳優です。
闇がない俳優が、闇のある人物を見事に演じる。
なぜ、佐藤健さんが、この役に選ばれたのか?
天才、市川猿之助さんに何が見えているのか?
「本当に、素直に自分の闇がないんだなと思った」
「逆に、それが、怖い」
「たとえば、人がまったく歩いていない街が怖いみたいに」
「いい意味での恐れ。畏怖」
最後に佐藤健について、こう語った市川猿之助さん。
この二人から、目が離せません。