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スズキから学ぶ中小経営者に最も必要な才能とは

こんにちは! 才能心理学協会・認定講師の澤田浩一です。

前回、後継者の役割は
・会社を潰さないこと、
・社員の力を結集させること、
・経営革新を行うこと
の3つだということに触れました。 

「会社を潰さない」というのは、言葉を変えれば利益を出し続けるということです。 

そのためには「社員の力を結集させ」、リーダーである後継者がこうしたいと望む方向へベクトルを併せていくことが必要になります。そして経営革新を行い、時代の変化に適応することが肝要です。

なぜなら後継者は先代から会社というバトンを引き受け、「次世代にそのバトンを渡す」という役割があるからです。

 

そして後継者の3つの役割の他にもうひとつ大事な役割があります。 

それはバトンを渡すための次世代の後継者を選び、育てるという役割です。

その役割は非常に重く、後継者が意識して身につけておかなければならない才能のひとつだと私は思っています。 

 

例えばスズキ株式会社・代表取締役会長の鈴木修氏。

スズキはワゴンRやアルト、最近ではRJCカー・オブ・ザ・イヤーなど数々の賞を受賞したハスラーなどを製造販売している売上高3兆円の自動車メーカーです。

 スズキは1920年、鈴木道雄氏が創業した鈴木式織機株式会社から発展した会社で、修氏は4代目社長です。

 スズキの後継者は代々、娘婿。優秀な人物を外部から入れることで、企業の繁栄を持続させてきました。

創業者の道雄氏は鈴木式織機を日本の3大織機メーカーに育て上げると共に、戦後、二輪車や四輪車事業へ進出、道雄の娘婿で二代目の俊三氏は織機事業から二輪車事業へと業態変換を実現し、スズキ発展の基礎を築いた社長として功績を認められています。

 修氏は俊三氏の娘婿。俊三氏の義弟・貫治郎氏の後を継いで社長となり、社長昇格時に3千2百億円だった売上高をアルトの販売や他社を先駆けてインド、パキンスタン、ハンガリーなど新興国への進出などで3兆円規模の会社に育てました。

 

その修氏がもっとも苦労したのが後継者作りです。

彼は当初、戸田昌男氏を5代目社長にし、自身は会長兼CEOに就任、技術と営業で責任分担を目指しますが、直後に戸田氏が病に倒れます。 

次に修氏が期待をかけたのが経産省出身で娘婿の小野浩孝氏。彼は修氏のトップダウン経営であった組織の構造改革を図り、RJCカー・オブ・ザ・イヤー受賞のスイフトなどのヒット商品を世に送り出した人物です。

 修氏は小野氏を自身の後継者にと、つなぎとして5代目に津田紘氏を社長に昇格させ、若手の集団指導体制をつくりあげようとします。

ところが小野氏が病で亡くなってしまい、修氏が描いていた後継のシナリオが崩れてしまいます。

 さらに修氏は2008年に津田氏が病に倒れたとき、78歳にして会長と社長を兼任する非常事態宣言を発します。

後継者育成の遅れに対する批判が強まったそうですが、その辛さを最も強く感じたのは修氏自身であったと、「オサムイズム」(日本経済新聞出版社)の著者・中西孝樹氏は述べています。

 その後スズキは経営企画委員会を設けて4人の次世代の代表権を持つ副社長を任命し、VWとの提携関係解消をめぐる法定紛争を経て、2015年、修氏の長男・俊宏氏が社長に就任し、チームスズキとして集団指導体制に移行しようとしています。

 

このスズキの話を聞いて、私は他人事ではないと思いました。

周囲の目からは、私はまだまだ働ける年齢(53歳)だと思われていますが、先代から引き継いだ後継者としては、常に私がいなくなったときのことを頭にいれながら、会社の方向を決めて行かなければならないと思うのです。それが先代の思いを繋げていくことにもなると思っています。

 「次世代を育てる力」、これは二代目、三代目の中小企業の経営者として求められる最も必要な才能のひとつなのです。

執筆者:
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澤田浩一

澤田浩一

認定講師一般社団法人 才能心理学協会
精神科ソーシャルワーカーを経て、経理・総務・人事等の業務に従事後、2001年より計測器メーカー㈱サワダ製作所を経営、中小企業経営者のパートナーとして才能心理学、TOC、NLPを使った組織作り支援を展開。 才能心理学「無料動画セミナー」の登録はこちら
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