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「ライフシフト」変身資産と多重人格の心理学ーポテトチップス派よりジャガイモ派が成功するー

ベストセラーになっている「ライフシフト」リンダ グラットン、アンドリュー スコット著。

この本が世界に衝撃を与えたメッセージをシンプルにいえば、

  • 寿命が100歳を超えます
  • ところが国と会社が用意してきたのは80歳くらいの寿命で考えた年金プランやキャリアプランです
  • 残り20年、どうやって生きますか? お金はありますか?
  • これからは自分で100歳まで元気に幸せに生きる人生戦略を作る必要があります

ということです。

詳細は本書を読んでいただくことして、私が注目したのは「変身資産」。

少し前までは、1つの会社で、会社人間という1つの人格を積み上げるのが成功の秘訣でした。人間関係も閉じられた会社の中のネットワークが主だった時代。

ところが100年時代は1つの会社で1つのキャリアを積み上げる生き方から、複数のキャリアを構築する時代になります。夫婦関係など、人間関係も今より長期間の付き合いになるので、豊かな人間関係を作るには変身する必要があるという話。たとえば、今でも、夫と過ごした家にはいい思い出がないから、夫の死後、マンションに移って一人暮らしを謳歌している女性がいる。切ないですが、夫は変身できず、妻に飽きられていたということです。

この変身資産は著者が100年時代を生きるための新たな資産として重要視しているもの。心理学的にいえば、変身資産とは多重人格者になる能力です。

多重人格というとピンとこない人や、「それって病気?」という人もいるかもしれませんが、もちろんそういう意味ではありません。

以前、メンターから「能力はキャラに従う」と教えてもらったことがあります。 たとえば、あなたの好きな漫画やドラマを思い浮かべてみてください。いろいろな登場人物がいますよね? すべての登場人物は違った個性があり、持っている能力が違います。

面白い人はジョークがうまい。真面目な人は時間に性格で計算が緻密。のんびりやさんは、一緒にいるとほっこりする。それぞれ活躍できる仕事も変わるでしょう。個性(キャラクター)によって能力は変わるのです。

あなたの知り合いに、「アメリカに行ったら開放的になって自由に振る舞えるのに、成田に着いた途端、気分が重くなる」という人はいませんか?アメリカにいる時は開放的になって社交的になり、外にも出かけるし、よくしゃべる。けれど、日本では内向きで、インドア派になり、あまりしゃべらない。この場合、この人は環境によって人格が開いたり、閉じたりしているのです。

すべての人は本質的に多重人格者ですが、私たちは普段、社会や会社、普段の人間関係に最も適応しやすい人格(波風立たず、安全に生きられる人格)を使っています。そして次第に「この人格が私」と思い込むようになります。「私はそんなキャラじゃない」というのは人格の固定化です。

ところが、そんな人でも、「学生時代はあんなに部活に熱中できたのに・・・」「海外赴任していた時が一番輝いていた」「あの人と付き合っている時が一番幸せだった」と過去を懐かしむことがあります。それは人格という観点から言えば、あの時と今のあなたの人格が違うということです。

人はいつでも、新たな人格、自分がまだ気づいていない人格を引き出してくれるハプニングやイベント、出会いを求めています。けれど、ライフシフトの著者が言っているのは、「これからの時代は新たな人格が開花するのを受身で待っていてはいけない。自ら新たな人格を開花させ、才能を開花させる必要がある」ということです。

今までは1つの人格で人生最後まで逃げ切れた時代。会社人間という人格を作れば、退職金や年金をもらえて、人生最後まで豊かに過ごせた時代です。しかし100年時代は、そうではなく多重人格者が人生を楽しむ時代。 自分の中の眠れる人格を呼び覚まし、才能開花する人が活躍する時代です。

ライフシフトを読んで、「じゃあ、どうすれば変身資産を築けるのか?」と思っている人にオススメしたいのは、田坂広志さんの著書『人は、誰もが「多重人格」 誰も語らなかった「才能開花の技法」』。

この本は「自己限定」という言葉が話題になりましたが、これは人格の固定化という意味。 以前、直接お話を伺う機会があり、「リーダーは相手に合わせて人格を使い分ける必要がある」というお話をされていました。

100年時代はリーダーに限らず、誰にでも多重人格者になる能力が必要です。変化のスピードが速いグローバル企業で働くエリートたちは人格、ペルソナという言葉をビジネスの現場で使っているので、この話がよくわかっています。彼らは自分の才能を開花させるために、今まで行ったことのない場所。やったことのない仕事。新規プロジェクトなどに手を上げて新たな経験することで、新たな人格開花に励んでいます。

人格が変われば能力も変わり、能力が変わればキャリアも変わり、キャリアが変われば稼ぎ方も変わる。そして付き合う人も変わってくる。

「自分と人格はどう違うんだ?」と疑問を持つ人もいるかもしれませんが、こう考えるとわかりやすいでしょう。

素材と料理の関係と、自分と人格の関係は同じです。ジャガイモは調理の仕方でポテトチップスにも、ポテトサラダも変身します。しかし自分がジャガイモだということを忘れてポテトチップスだと思い込んでいると、ポテトチップスが売れなくなれば、困ってしまいます。相手に「もうポテトチップスは飽きた」と言われれば、人間関係も続かなくなります。

中には、自分がジャガイモだと忘れてポテトチップスやポテトサラダになっている間に、自分が誰かもわからなくなり、アイデンティティ・クライシスに陥る人もいるかもしれません。

アイデンティティや、過去・現在・未来の一貫性の大切さを著者も書いていましたが、私たちは本当はポテトサラダにも、ポテトチップスにも、ポタージュスープにもなれるのに、でんぷんを使えば洗濯糊、医薬品にもなれるのに、すっかり自分がジャガイモであることを忘れています。

けれど、自分がジャガイモだと思い出せば、自分軸を見失うことなく、新しいレシピを開発し、新しい商品や売りを作ることもできます。

あなたの中にも、複数の人格があり、自分の中の眠れる人格を呼び覚ませれば、新たな才能も開花する。見方を変えれば、普段抑圧していたり、眠らせている人格で生きれば、人生の楽しみを格段に増やせます。

そう考えると楽しい時代がやってくると思いませんか?

100年時代はお金や健康の心配をする時代ではなく、今まで以上に人生を楽しめる時代だと思います。

執筆者:
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北端 康良

北端 康良

理事長一般社団法人 才能心理学協会
才能 プロファイラー/才能開発コンサルタント。 「クライアントを経済的・精神的に最も豊かにする才能開発」がモットー。 著書「才能が9割 3つの質問であなたは目覚める」、「自分の秘密 才能を自分で見つける方法」(経済界) プロフィール詳細はこちら