吉野屋から学ぶ二代目の才能

こんにちは! 才能心理学協会・認定講師で二代目経営者の澤田浩一です。

これまでも二代目経営者の方をいろいろご紹介してきましたが、今日ご紹介したいのは2014年に経営の第一線から退かれた、牛丼の吉野家の安部修二さん。

 

実は吉野家は創業者が松田栄吉さん、そして二代目はご子息である松田瑞穂さんです。

なのに、なぜ二代目として安部さんを取り上げるのか?

それは安部さんの最近の著書「吉野家 もっと挑戦しろ! もっと恥をかけ!」(廣済堂出版)を読み、安部さんが果たした役割が典型的な二代目の役割と同じだと思ったからです。

 

安部さんは1949年、福岡生まれ。 兄が一人、姉が二人の4人兄弟の末っ子で、豆炭事業を営む祖父をもった方です。

2歳のときにお父さんを亡くし、8歳のときにはお兄さんも病気で亡くします。
もし父と兄のどちらかが生きていれば、自分は家業を継いでいただろうと安部さんは述べています。

お兄さんが亡くなったあとも子どものころから周囲に「あんた、跡取りやけん」と言われていたそうで、こういった刷り込みは二代目特有のもの。安部さん自身もこのことで事業家としての意識が醸成されたかもしれないと言っています。

そして学生のときにプロのミュージシャンを目指して上京、そのときにバンド活動の費用のためにアルバイトで入ったのが、当時、二代目の松田瑞穂さんの下で事業を拡大しようとしていた吉野家でした。

 

松田瑞穂さんは父から受け継いだ吉野家のメニューをスリム化し、持ち前の緻密さと計算能力を使って現在の吉野家の「うまい、はやい」のシステムを作り上げました。
(最初の牛丼は牛肉以外にも糸こんにゃくや長ネギ、豆腐などが入っていて、今日の牛丼の形にしたのは松田さんです。)

またチェーンストア経営の第一人者・渥美俊一氏の薫陶を受けて、吉野家のチェーン展開を始めたのも松田さんです。

そういうことを鑑みると、松田さんが現在の吉野家の実質的な創業者と言ってよいでしょう。

 

安部さんはアルバイトから正社員になり、社長である松田さんの薫陶をことあるごとに受けました。

安部さんの著書にはところどころに松田さんから学んだ言葉が引用されています。

安部さんが松田さんの後を引き継いで経営者になったあとも、松田さんが築きあげた牛丼の商品価値や、生産性の高いシステムとオペレーションを守っています。

二代目の役割のひとつは創業者が築いた利益の源泉の基となる仕組みを忠実に守ることです。安部さんも松田さんの後継者としてその役割をきちんと果たしています。

そしてもうひとつ二代目の役割があります。

それは創業者が築き上げたものにさらに付加価値をプラスすることです。

実は吉野家は松田さんが経営者であったときに一度倒産しています。
倒産した理由は急激に店舗数を拡大したために牛丼の質(うまさ)と顧客へのサービス低下を引き起こし、資金繰りが悪化したためです。

そのときに苦労された安部さんは倒産時の教訓を生かし、マーケットの変化を的確に読み取って、顧客の期待に応えられるように変化していく仕組みを吉野家に作られました。

 

会社の基礎を作り上げるのが創業者の役割であるなら、二代目はそれを守りつつ、創業者の経験や失敗から学び、さらに時代の変化に適応していくために、その会社にプラスアルファの価値を加えることです。

そしてその価値は二代目であるみなさん自身の価値観(コア・コンセプト)に基づき生まれます。つまり二代目がプラスアルファする価値=創業者のコア・コンセプト×二代目のコア・コンセプト。

そういう意味で私のような二代目は安部さんから学ぶべきことが多いです。 

不易流行という言葉がありますが、二代目であるみなさんは何を守り、何を変えていきますか?

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この記事を書いた人

精神科ソーシャルワーカーを経て、経理・総務・人事等の業務に従事後、2001年より計測器メーカー㈱サワダ製作所を経営、中小企業経営者のパートナーとして才能心理学、TOC、NLPを使った組織作り支援を展開。

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