勉強のやる気を出すには、やる気が出ない原因を知り、準備をすることが大切です。資格試験や業務の知識を身に付けるなど、勉強は大人になっても欠かせないものです。しかし、「勉強をしなければ」と思っても、やる気が出ないこともありますよね。この記事では、このような場面で使える勉強のやる気を出す方法について、原因から具体的な方法まで順を追って紹介します。
勉強のやる気が出ない具体的原因4つ
まずは、勉強のやる気が出ない原因を明確にしていくことから始めましょう。勉強のやる気が出ない原因には、主に次のような原因が考えられます。すべてが当てはまる場合もあれば、いくつかにだけ当てはまる場合もあります。
自分に合った勉強法がわからない
どのような勉強方法が自分に向いているかは、人によって異なります。勉強を始める前に、どこから始め、どのように進めるかを決めておきましょう。
まず、どこから勉強するかがポイントです。複数の分野を勉強する場合、得意な分野から始めるか、苦手な分野から始めるか、人によって進めやすさは異なります。テキスト1冊の中でも、流れに沿って1ページ目から進める方法もあれば、目次をもとに取り組みやすそうなところから始める方法もあります。
また、勉強の取り組み方法も重要です。テキストを読むのが向いている人、文字に書き起こすことで情報を整理・暗記できる人など。最近では動画で学習できるツールも増えており、パソコンやスマートフォンなどを使った動画学習を好む人もいるでしょう。自分に合った取り組み方を見つけてみてください。
勉強する環境が整っていない
勉強のやる気が出ないときには、環境を見直すことも大切です。例えば、周りに誰もいない、静かな個室空間で勉強がはかどる人もいれば、カフェなど、人がいて少し物音がある環境のほうが集中しやすい人もいます。図書館のように、自宅を離れた静かな空間も勉強スペースとして候補に挙げられます。
どのような環境が向いているかも人によって異なるため、自分に合った環境を見つけるとよいでしょう。
目標や計画が不透明
勉強を始めるにあたり、目標はしっかり定まっているでしょうか。勉強をやらなければということが先行し、勉強で目指すゴールが見えないと、やる気が出なかったりやる気が持続しなかったりします。
資格試験などは目標が「試験合格」になるため、ゴールはわかりやすいでしょう。しかし、それを達成するまでの計画も大切です。いつまでに・何を・どれだけ取り組んでいくか、勉強を始める前に確認しましょう。
睡眠・休憩が不十分
勉強のやる気はあっても、体力的に勉強に取り組める状態ではない場合があります。睡眠不足や休憩がとれていない状態では、集中力も続きません。このような状態で勉強をしてもはかどらず、知識も定着しないでしょう。
毎日仕事や家事で忙しく十分な睡眠や休息がとれていない場合、まずは「休むこと」を考えましょう。平日は早く寝て睡眠時間の確保に努め、休日にしっかりと勉強時間をとるようにするのも一つの方法です。
勉強のやる気を出すためには事前準備が大切
勉強のやる気を出すためには、事前に準備を行うことも大切です。なかでも、勉強する空間を整えることは簡単で、効果が期待できます。
室温は低めに設定
勉強する部屋の室温は低めに設定しましょう。個人差はありますが、室温が高い場合、頭がぼんやりしてしまうことがあります。
自宅の場合は、エアコンなどの空調設備で温度設定を見直すのがおすすめ。個人で温度設定ができない自宅以外のカフェや図書館では、着ているもので体感温度を調節するのがよいでしょう。
机の上に不要な物を置かない
勉強する机の上に、勉強とは関係のない物は置かないようにしましょう。漫画やスマホなど、勉強のやる気を削いでしまうような物はすべて机の上から除き、視界に入らないようにします。
スマホは動画学習などで使う場合は別ですが、使わない場合はサイレントモードなどで通知音も聞こえないように設定し、かばんの中など、手元から離れた場所に置いておくのがベストです。
集中できる場所・物を用意
勉強のやる気を出し、また持続させるためには、集中できる環境が必要です。自分に合った勉強場所を用意しましょう。
自宅以外で勉強する場合、カフェなどでは時間の制約もあるため有料のコワーキングスペースを使うのもおすすめです。周りの音が気になる場合は、ノイズキャンセリング機能のついたイヤホンや耳栓を使うのもよいでしょう。
目標設定して計画を立てる
勉強する際には、最終目標と、それに向けた小さな目標を設定して計画を立てましょう。
最終目標となる「試験合格」や「試験で100点をとる」といったものだけではなく、小分けにした目標や計画も定めていきます。小さな目標を達成しながら勉強計画を進めるほうが達成感を得やすく、やる気に繋がるからです。この日までにどこまで進める、そのために1日で進める範囲を設定します。ほかに、何時までに終わらせる、何分で取り組む、といった時間制限を設けるのも効果的です。
例えば資格取得を目的とした勉強では、最終目標は「資格試験の合格」ですね。その途中段階で、模試で80点以上とることを、小さな目標に立てるとします。その小さな目標を達成するためには、平日にテキスト10ページ分を読み進め、週末には過去問題を解く、といった目標や計画の立て方が考えられます。このように、最終目標に繋がる小さな目標と計画を立てると、勉強をより進めやすくなるでしょう。
また、1日の目標以外に、全体のToDoリストを作成するのもおすすめ。やるべきこととできたことが可視化され、やる気や達成感に繋がります。
心理学を活用して勉強のやる気を出す具体的方法
勉強のやる気を出す具体的な方法を見ていきましょう。ここでは、心理学の活用例をいくつか紹介します。
ポモドーロ・テクニックを用いてメリハリをつける
勉強のやる気を持続させる方法として「ポモドーロ・テクニック」があります。25分間勉強したら5分間の休憩をとるという簡単なテクニックで、集中力の持続と休憩時間の確保が見込めます。勉強と休息のメリハリがつき、効率的に勉強が進められるでしょう。
目標は達成しやすいものを小刻みに
勉強計画では、達成しやすい目標を小刻みに設定しましょう。人は、達成感を得ることで、自ら次の目標への原動力を生み出します。
例えばテキスト1冊を1カ月で一通り勉強したいと決めたら、1週間、1日単位でページ数の目標を設ける方法も一つ。小刻みに達成感を得られることで、勉強を続けられているという自信にも繋がります。
まずは机の前に座る
勉強のやる気を出すためには、まずは机に向かってみましょう。勉強は、“続ける”よりも勉強を“始める”ほうがハードルが高いもの。まずは重い腰をあげて勉強道具を広げ、どんな簡単なことからでもいいので“始める”ことが大切です。
また、机の前に座る習慣をつけるのも有効です。例えば何時になったら机に向かう、洗濯機のスイッチを入れたら机に向かうなど、毎日のルーティンに取り入れると自然に習慣づけられるでしょう。
ザイガルニック効果で続きが気になる状況を作る
人は途中でやめたことのほうが強く記憶するという特性を持っています。これを「ザイガルニック効果(ツァイガルニック効果)」と呼び、勉強の効率アップに活用できます。勉強の場合、テキストの残り1ページや問題集の残り3問を残して休憩に入るといった方法が挙げられるでしょう。
続きが気になる、最後までやりたい、という思いを利用した方法で、完了したものよりもその内容をよく覚えているという傾向があるため勉強でも有効といえるでしょう。もし休憩前に問題を残していた場合、「休憩後に続きをやろう」という気持ちの高まりが、記憶に結びつきます。キリのよいところまで進めて、と思いがちですが、逆に残してしまったほうが勉強内容は定着するのです。
まとめ
勉強のやる気を出すには、やる気が出ない原因を知り、環境を整えることが大切です。そのなかで、今回紹介したような心理学を用いた具体的方法を取り入れると、やる気が出るだけでなく、やる気の持続にも繋がるでしょう。ただし、これらの方法は知識として得るだけでは意味がありません。さまざまな方法を試し実践することで、自分に合った方法が見つかり、新たな勉強環境を得られるきっかけにもなるでしょう。