プレゼンを成功させるコツは?心理学を活用して心を掴む

プレゼンを成功させるためには、「いかに相手の心を掴むことができるか」がポイントとなります。そのためには、トークスキルももちろん必要ですが、心理学を有効に活用することも大切です。この記事では、プレゼンを成功させるコツをご紹介するとともに、プレゼンに有効な心理学を詳しくご紹介します。

目次

プレゼンの基本的な構成

良いプレゼンでは「構成がしっかりしていること」が必須条件です。ここでは、プレゼンの基本的な構成である「序論・本論・結論」「DESC法」「PREP法」の3つについて、それぞれ解説しましょう。

序論・本論・結論

最もオーソドックスな構成が「序論・本論・結論」の順序でプレゼンを組み立てていく方法です。

序論はいわば、プレゼンの導入。プレゼンのテーマや、なぜこのプレゼンをするのか?について聞き手に伝えます。序論で聞き手に興味をもってもらえるかどうかがプレゼンを成功に導くカギとなるので、「わかりやすく簡潔に」を心掛けましょう。

本論は、プレゼンで「最も伝えたいこと」を話す最重要パートです。データやグラフを上手に活用しながら、PRしたい点や優れている点を具体的に示していきましょう。

結論は、いわば「締めくくり」「まとめ」のパートです。序論で伝えた「プレゼンのテーマ」や「プレゼンを行った理由」を振り返る形にすると効果的です。

DESC法

DESC法は、問題解決型のプレゼンに有効な構成です。具体的な構成は以下の通りです。

◎D(Describe)…客観的な状況や事実の描写。
【例】「現在我が社の売上は社会情勢の影響で縮小し続けています」

◎E(Express)…Describeに対する主観的な意見。
【例】「このままではこの業界での生き残りは難しいと言わざるを得ないでしょう」

◎S(Suggest)…対処法・解決法の提示。
【例】「この状況を打破するために、新規事業を立ち上げることを提案します」

◎C(Consequense)…Suggestによって得られる結果の説明。
【例】「新規事業によって、売上の拡大がのぞめるでしょう」

PREP法

PREP法は、一番伝えたいことを冒頭で話すことによって、聞き手に「その根拠を知りたい」という気持ちにさせます。その後、聞き手の要望に応える形で理由や根拠をスムーズに説明することで、聞き手に「腑に落ちた」と思わせる手法です。以下に具体例を提示します。

◎P(Point)…結論を述べる。
【例】「今日は、我が社の新規事業の立ち上げを提案します」

◎R(Reason)…伝えたい理由を述べる。
【例】「我が社は社会情勢の影響で売上が低下しています。現状を打破できる対策を講じないと、業界で生き残ることができなくなるのです」

◎E(Example)…理由の根拠となる具体例の提示。
【例】「新規事業を立ち上げることで、客足が途絶えた我が社の売上向上の足がかりができるでしょう」

◎P(Point)…再度結論を述べて締めくくる。
【例】「このように、我が社がこの業界で生き残るには、新規事業の立ち上げが必要不可欠である、ということを提案いたします」

「良いプレゼン」とは?

続いて、「良いプレゼン」とはどのようなプレゼンのことを指すのか、具体的に解説していきましょう。

伝えたいことがはっきりしている

伝えたいことが明確であることは、プレゼンの基本と言えます。そのためにも大切なのが、前述した「構成」です。自分の主張が簡潔にわかりやすく伝えられるように、まずは構成をしっかり練ることが大切です。

聞く人の目線・立場を理解した伝え方ができている

誰が聞いても理解できるような平易な言葉を使うことも大切です。専門用語を多用してしまうと、聞き手が理解できなくなってしまう恐れがあります。

さらに、社内では当たり前に使用されている言葉も、社外ではわかりにくい言葉だった…という場合もあるので気を付けましょう。プレゼンは、聞く人の目線や立場にたった言葉で行うことが大切です。

言葉や資料が具体的でわかりやすい

聞き手が理解しやすく、かつ心に残るプレゼンにするには具体的な数字や事例を盛り込むことも大切です。もしかしたら、聞き手が後に他の人にプレゼンの内容を報告するかもしれないことを想定して、他の人にも説明しやすいよう、具体的な言葉や資料を使うようにしましょう。

プレゼンを成功させる6つのコツ

プレゼンを成功させるには、いくつかのコツがあります。代表的なものをピックアップしてご紹介しましょう。

ゆっくり大きな声で話す

ゆっくり大きな声で話す、というのはプレゼンの基本です。緊張していると、人はついつい早口になりがちなので、心持ちゆっくり話すことを意識しましょう。スピードの目安は1分間で300文字です。事前に練習している姿をスマホやタブレットで録画して、話すスピードをチェックしておいても良いかもしれませんね。

また、オンラインでプレゼンを行う場合は、全ての参加者が理解できるように「明るい声色ではっきり話す」ことを心掛けると良いでしょう。

「味方」を素早く見つける

聞き手の中には、必ず1人か2人、しっかりと頷きながら話を聞いてくれる「味方」がいます。早い段階でこの「味方」を見つけて、その人に話しかけるようにすれば、緊張もほぐれるでしょう。

周りの人も、その味方につられて、話に集中してくれる…という効果も期待できます。ただし、終始その人にばかり話しかけるのはいただけません。周りの人にも視線を向けるようにしてください。

「間(ま)」を大切に

メリハリをもたせるために、「間」を効果的に使いましょう。例えば、「この件については、3つの問題点があります。それは何だと思われますか?」と質問を投げかけた後に、少し間をおいてみましょう。間をあけることで、聞き手は「どんな問題点があるのだろう」と考えるようになり、プレゼンに引き込まれていくでしょう。

つまり、間とはプレゼンを一方的な会話ではなく、双方向の会話に変える技術。相手に参加意識を芽生えさせる技術です。

しかし、間をあけるときは、聞き手と自分の立場をしっかりと考慮することがポイント。上から目線になってしまわないように気を付けましょう。

身振り手振りも取り入れる

ポイントポイントで、身振り手振りをいれることも重要です。例えば「ここで4つのポイントをお話します」と言うときには、親指を中に折り、手で「4」の数字を表現するなど。しかし、最初から最後までジェスチャーを交えて話してしまうと、聞き手が話に集中できなくなってしまうので気を付けましょう。

情熱をもって話す

プレゼンにはテクニックが重要ですが、それ以上に大切なのが「情熱」です。話す内容に自信をもって、「これは本当にあなたのためになる」という思いで話をしましょう。気持ちは伝わるものです。独りよがりになってはいけませんが、あなたの熱量が伝われば、相手を動かす力になります。

聞くべき理由を明確に伝える

聞き手に、プレゼンを聞く目的を明確に伝えることも大切です。例えば「御社にはこの商品が必要です」「このシステムを導入すれば、業績がアップします」だけを延々と伝えても、聞き手はピンとこないでしょう。相手のニーズや問題意識に応えるプレゼンになっていないからです。

しかし、「御社の現状はこうです」「このシステムを導入すると、将来的にはこうなるでしょう」と、未来を提示すると、聞き手は「なぜこのプレゼンを聞いているのか」が理解でき、共感を得られやすくなります。

プレゼンに役立つ心理学と具体的活用法

心理学的なアプローチを理解し、実践することでプレゼンの質がさらに良くなります。ここでは、プレゼンに役立つ心理学及び、具体的な活用方法を詳しく解説していきます。

カクテルパーティー効果

カクテルパーティー効果とは、人間の脳は、複数の情報が入り乱れる中でも、自分に関係のある情報は選別できる、という聴覚効果の理論です。例えば、プレゼンに聞き手の会社のスローガンや社訓を盛り込めば、プレゼンの内容がより一層印象付けられるでしょう。詳しく知りたい場合は下記の記事も参考にしてください。

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忘却曲線

人間の記憶はある程度時間がたつと、ゆっくりと忘れていきます。しかし、情報が失われていく中でも、繰り返し体験したり、見聞きしたりしことは忘れない、という理論が忘却曲線です。 つまり、プレゼンの冒頭20分で重要な情報を繰り返してアピールし、次の20分で表現を変えてまたアピールすれば、聞き手の記憶に強く印象を残していくことができるでしょう。

プロスペクト理論

プロスペクト理論は、「人は自分が得をする際は確実性を重視、損をする際は博打に出る傾向がある」という理論です。個人投資などでよく使われるプロスペクト理論ですが、実はプレゼンにも応用できます。

人は、何かを購入する際「得をするかどうか」よりも「損をしないかどうか」を考えるもの。そこで、以下のような具体的方法で、聞き手に「この商品は価値があるものだ」と思ってもらうことがポイントです。

◎専門家の声を活用し、「自分よりも詳しい人が推薦しているから安心」だと思わせる。
◎「〇〇日使用して満足がいかなければ全額返金」など、購入する側のリスクを売り手が請け負うことで、「自分が損することはない」と思ってもらう。

詳しく知りたい場合は下記の記事も参考にしてください。

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ゴルディロックス効果

イギリスの童話にちなんだ心理学で、人間は価格帯の選択肢が3つあると、中間のものを選ぶ傾向にある、という理論です。選択肢が多すぎると、人は迷いが生じて選択しづらくなり、結果「買わない」ことを選んでしまう場合があります。プレゼンで何かを決定してもらう、選択してもらう必要がある場合は、選択肢は3つないし5つまでに絞ることで、相手が選びやすくなるでしょう。飲食店のメニューによくある「松竹梅」はその例です。

心理的リアクタンス

人間は、自分の選択や行動は自分で決めたいという欲求があり、これを侵されると「抵抗」してしまう、という理論が心理的リアクタンスです。たとえば、「あの人とは結婚しないほうがいい」と言われると、ますます結婚したくなるのはその一例です。

これを応用し、欠点やデメリットなどをマイナスの情報を最初に伝えることで、聞き手に「じゃあ、いったいどんなメリットがあるというのか」という心理的リアクタンスが発動します。そこですかさずメリットやアピールポイントを伝えることで、提案がより魅力的に感じられるのです。

まとめ

プレゼンを成功させるには、ポイントをしっかりと把握しておくことと、心理学を活用することが重要です。しかし、これらの知識をただ「知っている」だけでは成功には繋がりません。きちんと実践に導入することで初めて、生きてくるのです。今回ご紹介した内容を、いざというときにしっかりと活用できるよう、普段から意識しておくことが大切です。

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この記事を書いた人

才能 プロファイラー/才能開発コンサルタント。
「クライアントを経済的・精神的に最も豊かにする才能開発」がモットー。
著書「才能が9割 3つの質問であなたは目覚める」、「自分の秘密 才能を自分で見つける方法」(経済界)

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