鳥と話す男が教えてくれた、AI時代に埋もれない才能の見つけ方・伸ばし方

鳥と話す男が教えてくれた、AI時代に埋もれない才能の見つけ方・伸ばし方

シジュウカラが200パターン以上の「言葉」を使いこなして、文章まで作っている—。そんな驚きの発見で「動物言語学」という新しい学問を作り上げた鈴木俊貴さん。古代ギリシャから2000年以上も続いた「言葉を持つのは人間だけ」という常識をひっくり返した鈴木さんの歩みには、AIには絶対に真似できない独自の価値を生み出すヒントがぎっしりと詰まっています。

目次

1. 「好き」を大切にする力—才能開花の原動力

「シジュウカラのことが好きなんです。もっと知りたいんです」

鈴木さんの研究を支えてきたのは、このまっすぐで純粋な気持ちでした。

幼い頃からベビーカーに虫取り網をさして生き物を観察し続けて、高校で双眼鏡を手にしてからは「鳥の世界に夢中」に。1年の半分以上を森で過ごして、時には朝から晩まで鳥たちを見つめ続ける。そんな徹底した観察を続けられたのは、理屈を超えた「好き」という純粋な感情でした。

AIは膨大なデータを処理して、パターンを見つけることはできます。しかし、「好き」という感情は持てません。長い期間にわたって一つのことに夢中になり続ける、情熱も生み出せません。

才能を伸ばす第一歩は、自分が心から「好き」だと思えることを見つけて、その気持ちを大切にすることなんです。

2. 疑問を持つ勇気—「図鑑を書き換える」精神

5歳の夏の日、お庭でコガネグモがカブトムシを食べる瞬間を目撃した鈴木さん。昆虫図鑑には「カブトムシは虫の中で最強」と書いてあったのに、現実は違っていました。

「カブトムシは最強じゃなかった。図鑑に書いてあることと違うよ」。そうお母さんに伝えると、「じゃあ、図鑑が間違っているから、図鑑を書き換えたらいいよ」と返してくれたそうです。この言葉が「ずっと頭の中に残っている」と鈴木さんは話しています。

権威ある図鑑であっても、目の前の現実と違えば疑問を持つ。そして自分の手で真実を確かめて、必要なら「図鑑を書き換える」勇気を持つ。この姿勢こそが、2000年以上も続いた学説をひっくり返す原動力となったのです。

AIは既存の情報を組み合わせることは得意ですが、その情報そのものに根本的な疑問を持つことは苦手です。常識や権威に対する健全な疑いの気持ちは、私たち人間だけが持つ貴重な能力なんです。

3. 現場に立つ価値—体験からしか生まれない洞察

「本や図鑑に書かれていることだけがすべてではありません」
「実際に自然の中で観察すれば、新しい発見があるんです」

中学・高校時代の採集旅行や継続的なフィールドワークを通じて、鈴木さんはこの結論にたどり着きました。

大学3年の冬、長野県軽井沢の森でシジュウカラの集団を観察していた時のこと。特定の鳴き声に対して集団が特定の行動をとることに気づいたそうです。「餌の場所や天敵の来襲を鳴き声で伝え合っているのかもしれない」。その瞬間、持参していたノートにすぐ書き込みました。

この気づきが動物言語学誕生の出発点となりました。もし鈴木さんが机の前で文献を読んでいるだけだったら、この発見は生まれなかったでしょう。

AIはインターネット上の膨大な情報にアクセスできますが、実際に森に立って、五感を使って観察することはできません。現場に身を置いて、生きた体験から洞察を得る能力は、私たち人間だけが持つかけがえのない価値です。

4. 視点を変える柔軟性—既存の枠組みを超える発想

従来の動物行動学では、動物に人間の言葉を学ばせて理解力を測る手法が主流でした。でも鈴木さんは「そもそも人間の言葉を動物たちに学ばせようとするのが間違いだった」と考えました。

人には人の言葉があるように、鳥には鳥の言葉がある。
「どちらも動物の言葉の一つにすぎません」
この発想の転換が、シジュウカラの豊かな言語世界の発見につながりました。

AIは既存のパターンを学習して、それに基づいて処理を行います。しかし、研究や思考の根本的な枠組みそのものを疑って、まったく新しい視点を生み出すことは苦手です。

相手の立場に立って考える共感的な思考、従来のアプローチを根本から見直す柔軟性—これらは私たち人間が持つ独自の強みです。

5. 未知への確信—まだ見ぬ発見を信じる力

「鳥の鳴き声が一つ分かるだけで、世界の見え方は変わります。様々な楽しみや気づきがあって、それらはネットに書かれていないし、人工知能(AI)にも答えられません。自然の中には、まだたくさんの新しい発見が隠されているんです」

鈴木さんのこの言葉は、AIの限界を示しています。どれほど高度なAIでも、まだ発見されていない真実については答えられません。未知の領域に足を踏み入れて、新たな価値を創造するのは私たち人間の役割です。

鈴木さんの研究によって、動物言語学は世界に広がり、アフリカゾウやチンパンジーでも言語能力の兆候が見つかり始めています。一人の「好き」から始まった地道な探究が、学問全体を変える力になる。本当に素晴らしいですね。

才能を伸ばし、AIに真似できない価値を生み出すために

鈴木さんが教えてくれるのは、特別な天才しかできないことではなく、私たち普通の人でも日常の中で実践できる、シンプルで力強い原則です。

  • 自分の「好き」を信じること
  • 権威や常識に疑問を持つ勇気を持つこと
  • 実際に現場に立って、体験から学ぶこと
  • 既存の枠組みにとらわれない柔軟な発想を大切にすること
  • まだ見ぬ発見があることを信じて探究を続けること

これらはすべて、AIには真似できない私たち人間だけの能力です。「好き」から始まる探究心こそが、あなたの才能を開花させて、世界に新たな価値をもたらす原動力となるのです。

文系、理系、アウトドア派、インドア派を問わず、何かを「好き」と思う気持ちを大事にしてください。その先に、きっと新鮮な驚きや気づき、そして誰にも真似できない独自の価値が待っています。

それにしても、鈴木さんのお母さん、本当にすごいですね。「じゃあ、○○が間違っているから、○○を書き換えたらいいよ」と親や上司から言われたら・・・。きっとどんどん成長する子どもや大人が育つのでしょうね。

参考図書・記事

日経新聞:動物言語学者の鈴木俊貴さん 鳥たちの「言葉の森」を探して
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC168HA0W5A610C2000000/

Amazon:『僕には鳥の言葉がわかる』鈴木俊貴著
https://amzn.asia/d/7bAkUwk

 

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この記事を書いた人

才能 プロファイラー/才能開発コンサルタント。
「クライアントを経済的・精神的に最も豊かにする才能開発」がモットー。
著書「才能が9割 3つの質問であなたは目覚める」、「自分の秘密 才能を自分で見つける方法」(経済界)

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