この記事では、ネガティブ思考になってしまう原因と、ネガティブ思考をコントロールする具体的な方法を紹介します。ネガティブ思考に陥ってしまうと、さまざまなデメリットが生じますが、一方でメリットもたくさんあるのです。この記事を読み、ネガティブのメリット・デメリットを把握したうえで、自分の感情をしっかりとコントロールできるようにしましょう。
ネガティブ思考になる原因は
まずは、ネガティブ思考に陥ってしまう主な原因について解説していきます。
大きな挫折を経験
大きな挫折や失敗を経験したことによって、人はネガティブ思考に陥ってしまうことがあります。特に、努力した時間が長ければ長いほど挫折感も大きくなり、「自分は何をやってもダメなんだ」と思ってしまいがちです。
たとえ挫折を乗り越えることができたとしても、また新たな試練が訪れると「頑張ろう」という気持ちよりも「また失敗するのではないか」「どうせ、頑張っても無駄だ」という気持ちが先立ってしまうのです。
人間関係
ネガティブな感情は、自分を取り巻く人間関係が原因となって引き起こされることがあります。例えば、他人の批判ばかりしている人や、愚痴や文句ばかり言っている人と長い間一緒にいると、思考パターンが伝染してしまいます。その結果、ネガティブ思考に陥ってしまうのです。
また、いじめられた経験や、近しい人から「お前は何をやってもダメだ」などと自己否定を繰り返された経験がある人は、どうしても自己肯定感が低くなるため、ネガティブ思考に陥りやすくなります。
セロトニンが不足している
セロトニン不足も、ネガティブ思考を引き起こす一因です。セロトニンとは、精神の安定に大きく関係している脳内物質のこと。セロトニンが不足すると不安感が強くなったり、精神的に不安定になったりします。
また、セロトニンは、メラトニンという睡眠ホルモンをつくる働きをしています。セラトニンが不足すれば、必然的にメラトニンも不足してしまい、睡眠障害が起こりやすくなるのです。
睡眠障害が起こることで自律神経のバランスが崩れてしまうため、精神的に不安定になり、ますますネガティブ思考に陥ってしまいます。
何もすることがない時間がある
何もすることがなく、時間があり余っていると、ネガティブ思考に陥りやすくなります。仕事などで忙しいときは、余計なことを考える暇はありません。また、暇な時間でも趣味に没頭することができれば、ネガティブになることもないでしょう。
しかし、時間を持て余してしまうと、色々と答えのない問題について考え込んでしまい、結果としてネガティブな気持ちになってしまうのです。
ネガティブ思考のデメリット
次に、ネガティブ思考にはどのようなデメリットがあるのか、ご紹介しましょう。
人間関係が悪化する
ネガティブ思考のデメリットの一つが、周囲の人に悪影響を及ぼし、人間関係が悪化してしまう点です。
ネガティブ思考に陥ると、話し言葉や話す内容も、ネガティブなものになってしまいます。そのため、周囲の人に「あの人なんだか感じ悪いな」と思われたり、「話していてなんだか気分が悪いな」と思われたりしてしまうのです。
一度悪化した人間関係を修復するのは難しいもの。ネガティブ思考の負のエネルギーは、時に周囲の人を巻き込むくらい強くなるといえるでしょう。
健康面に影響を及ぼす
昔から「病は気から」といわれるように、ネガティブ思考は健康面にも悪影響を及ぼす可能性があります。
ネガティブ思考は脳にストレスを与え海馬の神経細胞を破壊してしまうため、脳の老化を早めてしまうともいわれています。脳の老化が早まると、記憶力の低下なども引き起こしてしまうかもしれません。
また、思考がネガティブになると、免疫力を上げる働きを持つナチュラルキラー細胞が分泌されにくくなるため、免疫力が低下する可能性もあるのです。
さらに、笑うことが少なくなり、表情が乏しくなってしまうと、顔の筋力が低下して年齢より老けて見られることもあるでしょう。
実はネガティブ思考にはメリットもある!
ネガティブ思考=無条件に悪いこと、というイメージを持たれがちですが、実はそんなことはありません。時として、ネガティブ思考が良い方向に作用することもあるのです。ここでは、ネガティブ思考のメリットについて解説していきます。
リスクに気づき、回避できる
物事に対してネガティブな考え方を持っている人は、「こうなったらどうしよう?」「相手はこんなふうに感じるんじゃないか?」とポジティブな人が見落としがちなリスクに敏感です。結果、そのリスクに対する対処法を考え備えることができます。
あらかじめリスクを予測し対応策を持っていれば、いざというとき即対応することができ被害を最小限に抑えることができます。
仕事や製品(サービス)のクオリティを高められる
仕事に対してネガティブな考え方を持っている人は、「もっと改善できるところがあるのではないか」「これでは顧客が満足しないのではないか」と考えるので、業務内容や製品(サービス)のアラがよく見えます。
アラが見つかればそこを改善し、また新たな問題点がないか…と徹底的に見直すので、結果として業務内容や製品(サービス)のクオリティを高めることができるでしょう。
優れたアイデアをひらめきやすい
ネガティブ思考の人は、優れたアイデアをひらめきやすい傾向にあります。何かひとつアイデアを思い付いたとしても「この程度では人前で発表するレベルではない」と考え、しっかりとブラッシュアップしていくからです。
つまり、ネガティブ思考の人は、現状に決して満足することなくさらに完璧を目指すことで、優れたアイデアを生み出していきます。
ネガティブ思考をコントロールする具体的方法
ネガティブ思考には、メリットもデメリットもある、ということがおわかりいただけたでしょうか。ネガティブな感情に飲み込まれることなく、メリットを最大限に活かすためには、ネガティブ思考をコントロールする術を身に付けなければなりません。ここでは、ネガティブ思考をコントロールする方法について、具体的に解説していきます。
ネガティブ思考の原因を探る
ネガティブな思考に陥ったとき、まずはその原因について考えてみましょう。できるだけ客観的に「なぜ自分はネガティブになってしまったのか」を整理することによって、理性的になれるはずです。
さらに、原因を探っていくうちに「あのときは、このようにすべきではなかったか?」などと、改善策も見えてきます。改善策が見つかることによって、ネガティブになる原因を一つなくすことができるでしょう。
感情を書き出す
ネガティブな感情が出てきた際は、ノートなどに素直な感情を書き出すと良いでしょう。文字にすることで、自分は今どんな感情で、どんな精神状態なのかを客観的に把握できます。現状を冷静に受け止めることができれば、感情に飲まれてしまうこともありません。
さらに、感情を素直に吐き出すことで、気持ちがスッキリする効果も期待できます。感情を書き出す際は、できるだけ詳しく書くことがポイントです。
ミスが原因の場合は失敗を活かす
ネガティブ思考の原因が自分の失敗にある場合は、「次に同じミスをしたときは、どうすれば良いのか」を考えましょう。ここで重要なのは、決して「どうすればミスしないで済むか」に重きを置かないことです。
なぜなら、「ミスしないこと」ばかりを意識してしまうと、同じミスを繰り返したときに「あれだけ気を付けていたのに…」とネガティブな気持ちになってしまうからです。
ミスをしたときの対策を考えておけば、気持ちに余裕もできますし、ミスをしても不用意に落ち込むこともありません。大切なのは、「ミスをネガティブな感情にしない」ということです。
ポジティブ要素に着目する
ネガティブ思考になる原因のなかにも、ポジティブに切り替えられる要素があるもの。そこに着目することも大切です。
例えば、「失敗したけれど、周りのみんながフォローしてくれたので、良い仲間に恵まれていることに気付けた」「取引先の人に迷惑をかけてしまったけれど、すぐに対処できたので大事にならずに済んだ」など。
ついついネガティブな要素にばかり意識が向かいがちですが、ポジティブ要素を探すことで、前向きな気持ちに切り替えることもできるでしょう。
まとめ
一概に「ネガティブ思考は悪いことである」とはいえません。捉え方次第では、仕事のうえで大きなメリットをもたらすこともあるのです。大切なのは、ネガティブ思考をしっかりコントロールすること。ただ、コントロール方法を知っているだけでは意味がありません。ネガティブ思考に陥ったときには感情をしっかりコントロールして、メリットを最大限に活かせるようにしていきましょう。