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「虹色のチョーク」から学ぶ二代目経営者の才能を活かした経営の仕方

こんにちは! 才能心理学協会・認定講師で二代目経営者向けコーチの澤田浩一です。

 

二代目が事業を継ぐケースには次の3つのパターンがあります。

・小さいころから「お前は跡継ぎだ」と親や周囲から言われ、本人も継ぐのが当然だと思い、学校を卒業後、会社を継ぐケース
(卒業後にいったん、よその会社で経験を積むこともあり)

・「会社を継げ」と明確には言われなかったけれど、なんとなく自分が継ぐとどこかで感じていて、学校の卒業や転職などを契機に会社を継ぐケース

・当初、自分が継ぐことはない(または継ぐ気がない)と思っていたけれど、何かの契機(例えば先代の病気や死、業績の悪化など)を契機に会社を継ぐことになったケース

 

私の場合は、三番目のケースです。

当時、転職して勤めていた会社の仕事が面白かったので、この会社にずっといようと思っていたのですが、突然、父から「会社を継げ」と言われ、父の傍にいた取締役からも「高齢で会社に来るのも大変になっているから来てください」と言われて継ぐことになりました。

 

そのときの私は「社長なんて無理」と思っていたので断っていたのですが、実は心の半分は継ぐ方に傾いていました。

それはどうしてかと人から聞かれると、自分の力を試してみたかった気持ちがどこかにあったと今までは答えていたのですが、それだけでは説明しきれないのも感じていました。

 

今から振り返ってみると、継いだのは「家族(親子)の絆」があったからだと思います。

 

これは二代目でないとわからないかもしれません。

ですがこの「家族の絆」は後継者として会社を経営する上では重要な要素だと思います。

 

例えばチョークで業界シェアトップの日本理化学工業・4代目社長の大山隆弘さん。

 

大山社長は大学を卒業後、目指していた広告代理店に就職。アメリカにすごく憧れがあったので、アメリカに留学してマーケティングを学び、大学院を卒業後は広告業界で新たなステージに立ちたいと思っていたそうです。

ところが卒業前にお父さんから「ちょっと帰ってこれないか」と連絡があり、帰国すると「帰国して会社に入りなさい」と言われ、日本理化学工業に入社し経営に参画。

 

不思議なのはお父さんから「入りなさい」と言われ、「はい、わかりました」と思い描いた夢をあっさり捨てて、すっと入ったことです。

大山社長はそのことについて「素直に父の言葉に従えました」と述べています。

そしてその理由は、結婚して家族を意識していたかもしれないとも。

 

人間関係の中で家族の絆、特に親子の絆は一番強いものです。

それは会社を継ぐパターンがどのようなものであっても、根底にあるのだと思います。

 

そして「家族の絆」はさらに後継者の経営者のありかたにも影響を与えます。

 

先程の日本理化学工業は、社員の7割が知的障がい者で有名な会社です。

先代で現在、会長でもある大山泰弘さんが二人の知的障がい者の職場体験を受け入れたことをきっかに障がい者雇用に取り組み始めました。

 

息子の隆弘さんは入社当時、その方針に疑問を持ち、健常者の雇用を増やして合理化や工場の近代化を進めようとしました。

なぜならチョークの需要が下り坂で、会社の存続に危機感を覚えたからです。

創業者にとって会社は血、肉を分けた自分の子どものようなものですが、後継者にとって会社は外から眺めることができる存在です。客観的に眺めた上での当然の判断と言えば当然と言えます。

 

ところが最初は先代をはじめ周囲の古参幹部が自分の意見に同調してくれないことに苛立ちを感じていた隆弘さんは、考え方を変えます。

なぜなら先代である泰弘さんの理念であり、会社が取り組んできた「社員が健常者でも障がい者でも働く幸せを感じてもらう」ということの大切さに気が付いたからです。

 

隆弘さんは幼いころから自宅が工場の横にあったため、障がい者を身近に感じていました。

そして社員旅行に行ったり、ラインを手伝ったりしているうちに、どんなときも一生懸命な社員の姿に心を打たれ、働くことを諦めなければならない人たちにその機会を提供し、働くことが楽しく嬉しいという仕事を会社がしてきたことの尊さに気が付いたと言います。

そして隆弘さんは先代から引き継いだ新製品の投入や6S活動、マネージャーの補佐に障がい者を登用するなどして業界トップシェアを成し遂げます。

 

私も二代目として経営に携わっていますが、今は社員が自分たちで考え、動いていくようなやり方をし、業績を上げています。

今から思えば、私が引き継いだ当時の会社も先代である父が社員の力を信じ、彼らに任せていたやり方でした。

そういう意味では私も父が大切にしていたことを取り入れているのだと思います。

 

先代の価値観や思いを自然に取り入れられるのは「家族の絆」を持った二代目だからです。

そしてそこに自分の価値観や思いをプラスし、自分の才能を活かした経営していくことで会社は発展していくことができるのではないかと私は思います。

執筆者:
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澤田浩一

澤田浩一

認定講師一般社団法人 才能心理学協会
精神科ソーシャルワーカーを経て、経理・総務・人事等の業務に従事後、2001年より計測器メーカー㈱サワダ製作所を経営、中小企業経営者のパートナーとして才能心理学、TOC、NLPを使った組織作り支援を展開。 才能心理学「無料動画セミナー」の登録はこちら
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