二代目経営者が創業者から最も学ぶべきこと

こんにちは! 才能心理学協会・認定講師で二代目経営者の澤田浩一です。

創業者と二代目で一番違っていて、しかも二代目が最も学ぶべきことは何だと思いますか?

それは創業者の持つ強烈な“熱意”です。

なぜなら創業者は、自分が本当にしたいことが明確で、そのことをするためにゼロからスタートして事業を創り上げているからです。

例えば株式会社マザーハウスの山口 絵理子社長。

山口さんがしたいことは「社会を変えること」。 そのためにマザーハウスの理念は「途上国から世界に通用するブランドをつくる」です。

山口さんは小学校のときに酷いいじめに遭い、中学ではいじめを受けないように周りに気に入られようと自分を抑え過ぎて、その反動で非行に走ったという経験を持っています。

 「いじめも非行も日本の教育が悪いせい。」

そう思った彼女は政治家を目指して慶応大学の総合政策学部に進学し、そこで開発経済学という学問に出会います。

開発経済学を学ぶうちに、
「教育が本当に必要とされているのは実は日本ではなく、貧しい国々ではないか。」、
そんなふうに思い、貧しい国々のために働きたいと米州開発銀行で働きますが、本当に必要な人々に資金援助が届いているのかと疑問に思い、インターネットで検索したアジアで最貧国、バングラデッシュへ向かいます。 

そこで見たのは、援助が一部の政治家のポケットに入り、求める人たちにはほとんど届いていない現実。

彼女はそのことに怒りを覚え、本当の意味で国際競争力のあるものを途上国から世界に出さないと社会は変わらないと思い、バングラデッシュの天然繊維「ジュート」(黄麻)を使ったバック作りを現地で始めます。

それがマザーハウスの成り立ちです。

バックを作るのも初めてなら、会社を設立するのも初めて。山口さんの著書「裸でも生きる」「裸でも生きる2」(講談社)にその奮闘ぶりが書かれていますが、正直読んでいて、もう少しきちんと考えて準備やマネジメントができないものかと感じたりもします。

実際、山口さんはバングラデッシュでバックを製造してもらった会社に裏切られたり、お金を騙し取られたりします。

またバングラデッシュの生産が軌道に乗った後に進出したネパールでも一緒に行動を共にしていたインド人のコーディネーターが脅されたりしてやむを得ず一時撤退をしたりもしています。

国内で事業をゼロからスタートすることだけでも大変ですが、海外で文化も風習も異なる人たちとビジネスを行うことはさらに大変なことです。

私も一時期、韓国へ進出したことがありますが、海外で仕事をするのはノウハウもない人間がするのは大変なこと実感しました。
こちらは信頼関係を築いて仲良くやっていきたいと思っていても、向こうは向こうの現実があり、その国の文化や風習はもとより、その人自身の個人的な事情に基づいた考え方や思惑があります。一度不信感や疑念がお互いに生じると、言葉の壁もありなかなか消えないもので、逆にその不信感や疑念が広がり、うまく行かないのです。

もし私であれば裏切られ、騙された時点で、進出をあきらめたかもしれません。
ですが、そういった危機を乗り越えたのは山口さんの「社会を変えたい」という強い思い、熱意です。

この熱意こそ、成功した創業者には共通のものだと思います。そしてその熱意に魅力を感じ、協力する人々が現れ事業として成り立つのでしょう。

ハウス食品グループ本社会長の小瀬昉氏は、5月2日号の日経ビジネスの取材で『組織のリーダーたる者こそ「体温」を上げよう』と提言されています。
それは「何かを成し遂げたいというパワーだとかスピリッツ(精神)、そして少々のことではへこたれないエネルギーが体全体からみなぎっていること」だそうです。体から発している熱量が現場で部下や顧客に伝わり、その組織の勢いになるからです。

マザーハウスは今年で10周年。 現在はバングラデッシュやネパールでの自社工場をはじめ、インドネシアでの生産、日本、台湾、香港での販売活動を展開されています。

二代目であることのメリットはすでに創業者が作り上げた有形、無形の資産を持っているということ。
逆に言えば、ゼロからスタートしていないので創業者ほどの強い思いを持ってはいない弱さがあります。 

二代目は創業者の強い熱意を知り、その熱さを周囲に発することを見倣うべきだと思います。

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この記事を書いた人

精神科ソーシャルワーカーを経て、経理・総務・人事等の業務に従事後、2001年より計測器メーカー㈱サワダ製作所を経営、中小企業経営者のパートナーとして才能心理学、TOC、NLPを使った組織作り支援を展開。

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