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二代目経営者がフリーの戦場カメラマンから学ぶこと

こんにちは、才能心理学協会・認定講師で二代目経営者の澤田浩一です。 

今回はフリーの戦場カメラマン・渡部陽一さんを取り上げます。

取り上げる理由は、渡部さんが仕事で心がけるポイントと中小企業の二代目が経営するときに大切なポイントは同じところがあるからです。 

バラエティなどで独特のゆっくりした口調の話し方で知られている渡部さん。彼は大学で受けた生物学の授業で未だに狩猟生活を続けているムブティ族を知り、この目で見たくなってアフリカに出かけた際、少年ゲリラに捕まり殺されかけた経験をしました。

何とか帰国できたそうですが、彼が一番辛かったのは、そのときの恐ろしい体験を家族や友人に話しても誰もわかってもらえなかったこと。

そこで彼は子供のときからやっていた写真を使って自分が体験したことを伝えることができないかと、戦場カメラマンになったそうです。

そしてその後アフリカのザイールを皮切りにイラク、ルワンダ、コソボ、チェチェン、ソマリアなど紛争地域の取材を続けてこられました。

 

では渡部さんが仕事で心がけるポイントを著書「戦場カメラマンの仕事術」(光文社新書)から見てみましょう。 

彼が取材をする上で気を付けているポイントのひとつは、取材の第一歩は信頼できるガイドを見つけるということ。 

取材の現場では国や地域によって習慣が変わるので取材の仕方も変えなければいけないそうです。何か起きたときに自分が培ってきた経験や情報というものを最優先しないで有事の際には必ずガイドに従うことを心がけているとのこと。 

中小企業を経営する上でもいかに信頼できるガイド(アドバイザー)を見つけるかはとても大事なことです。

なぜなら先代のころの安定した右肩上がりの経済の時代とは違って、少子高齢化による顧客ニーズの変化や労働力の不足、グローバル化などに伴う競争の激化、IoTなどの技術革新等々、それらによる中小企業を取り巻く環境が日々変化しているから。 

中小企業は資金、ヒト、モノ、それらのいずれをとっても限られています。そういう限られたリソースをどのように活用して生き延びていくかは二代目経営者には重要な課題です。

日々変化する環境は中小企業にとっては常に有事にあるようなもの。それくらいの危機感を持つべきでしょう。

だからこそ中小企業の経営者にも信頼できるガイドが必要だと思います。

具体的に言えば税理士や弁護士、社労士や中小企業診断士をはじめとする経営コンサルタントの方々です。

ところが毎年の税務申告はどうしても必要なので、税理士の先生を使っている企業は多いと思いますが、それ以外の面ではこういったガイドを使うには費用がかかるのでためらってしまう。

なぜなら本当に自分に役に立つのか、ガイドを使って本当に儲かるかに確信が持てないからです。 

ですがガイドの良さは自社を客観的に診ることができるということと、その分野では専門的な知識と実務能力があるということ。
自社のニーズにあったガイドを見つけ、信頼関係を築くことは有益だと思います。 

では信頼できるガイドを見つけるためにはどうすれば良いでしょうか?

渡部さんは、ガイドがどのような立場の人なのか、外国人に対して、またその地域の人たちに対してどんな言葉や振る舞いをしているかなどを見ると言っています。

私たち経営者に当てはめると彼らがどのような視点でモノを見ているのか、私たちや社員に対してどのような言葉使いや振る舞いをしているのか、といったことでしょう。

そしてこのガイドに頼もうと思ったら、取材現場に入る前にガイドとの信頼関係を得るためにガイドの家族団らんの場所にお邪魔させてもらったり、どこか近場を一緒に車で移動しながらとりとめのない話をするなどコミュニケーションを取りながらガイドとのつながりを築くそうです。

普段からガイドとのコミュニケーションを私たち経営者もしっかりとって信頼関係を築くことがプロとしての彼らにフルに動いてもらうことになると思います。

私も今まで戦略にそって経営コンサルタントの方や社労士の方、また税理士の方にお世話になりました。
現在もある試みをしていますが、今回は税理士と司法書士の方にタックルを組んで支援していただいています。

 

二つ目のポイントは「悩んだときはゴー」ということ。

渡部さんはフリーのカメラマンなので、お金の部分ではそんなに自由度のある取材はできません。飛行機は格安航空券を使い、食費も抑えるという取材活動だそうです。
ただし出すときは出す。次の予定取材地に向かう前に、迷ったときにあえて自分の感覚に従って別の場所に踏み込んで行くことで、不安はあるけれど、次の取材への重要な取っ掛かりを見つけたりするそうです。 

中小企業も資金の面では限られています。普段はコストを抑える努力をしなければなりません。ですがこれをすれば、うまくいくかどうかはわからないけれど長期的には会社の体質強化や利益につながるのではないかと感覚的に思ったときは、そこに投資すべきです。 

もちろんそうするためには日ごろから、いろいろな外部の人たちと話をして感覚を研ぎ澄ますことが大事だと思います。

渡部さんも取材以外のオフのときでも普段からガイドさんと会ったりして日常会話の中で驚くようなキーワードをつかんだりすることがあるそうです。

 

そして3つ目は「粘り強く待つこと、繰り返すこと、耐えること」

彼は取材で持ち帰った写真をメディアの人に見てもらうとき、最初はまったく見てもらえなくてもコツコツと粘り強く張り付いていく、そうやって関係を少しずつ作っていくそうです。
彼は剣道でその粘り強さを鍛錬したきたそうですが、中小企業の経営で最も大事なものはこれだと私は思っています。 

私たち二代目には創業者のようなカリスマ性はありません。自分がこうしたいと思ってもなかなか社内に浸透しないことも度々です。
だからどれだけ粘り強く待ち、繰り返すことができるかが重要になってきます。

渡部さんの座右の銘は「石の上にも15年」。どんな小さなことでもこれだけは続けると決めたことを毎日コツコツと続けていくことは自分の支えになります。

普段からマメに社内外に自分のしたいことを伝えて信頼関係を作り、昨日よりも今日一歩前に進んでいく、それが中小企業の二代目の経営には大事だと思います。

 

執筆者:
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澤田浩一

澤田浩一

認定講師一般社団法人 才能心理学協会
精神科ソーシャルワーカーを経て、経理・総務・人事等の業務に従事後、2001年より計測器メーカー㈱サワダ製作所を経営、中小企業経営者のパートナーとして才能心理学、TOC、NLPを使った組織作り支援を展開。 才能心理学「無料動画セミナー」の登録はこちら