こんにちは、才能心理学協会の北端康良です。
「ディープインパクトって何ですか?」という質問をいただきました。才能心理学では才能開花した人の共通点をまとめていますが、『ディープインパクト』はその内の1つ。あなたの才能開花のきっかけとなる衝撃的な出来事のことです。
たとえば今も現役でプレーを続けるサッカーの三浦知良選手や大リーガーのイチロー選手は子供時代、サッカーや野球に出会ったことがディープインパクトです。イチロー選手は「なぜ野球選手になったのか?」と聞かれ、「みちゃったものは仕方がない」と答えました。野球に一目惚れしたわけです。
あなたにも人生の転機となった出来事や出会い、忘れられない思い出があると思います。それが今のあなたの人生を作り、能力につながっているのであれば、その出来事があなたのディープインパクト。つまりディープインパクトとは、あなたの才能開花の出発点です。
ディープインパクトは2種類ある
三浦知良選手やイチロー選手はサッカーや野球に出会って「ずっとプレイしたい」「プロになりたい」と思ったので、彼らのディープインパクトはポジティブな出来事です。しかし、世の中にはネガティブなディープインパクトをきっかけに才能開花した人もいます。
たとえば「才能の源泉って何ですか?」という記事で紹介したスティーブ・ジョブズ。
彼のディープインパクトは生まれてすぐに養子に出されたこと。つまりネガティブなディープインパクトです。
ジョブズはこの出来事がきかっけで、「実の親に捨てられた(選ばれなかった)」寂しさや孤独感を強烈に抱え続けました。彼がファンを惹きつけるプレゼンや斬新な商品を次々に生み出す原動力の1つは、生まれてすぐ養子に出され、実の親に選ばれなかったショックをもう二度と味わいたくなかったからです。
医者や看護師をしている人の中には、子供時代、親や兄弟や友達が病気になり、助けたくて医者になった。看護師になったという人もいます。
「あの時は子供だったから親を助ける力がなく、死なせてしまった」と思い、「親と同じ病気で亡くなる人をなくす」と思っているAさんはネガティブなディープインパクトをきっかけに、医師としての才能を開花させる人です。
一方で、「親が病気になった時、助けてくれたお医者さんがいた」「あの先生ようになりたくて自分も医者になった」というBさんは助けられたというポジティブなディープインパクトをきかっけに、医師としての才能を開花させる人です。
結果、Aさんは親と同じ病気で亡くなる人をなくすという使命感に燃える医師になり、Bさんは恩人のような医者を目指す医師になるのです。
ものの見方を変えれば、才能は見つけられる!
一般的にはポジティブなことが良いことで、ネガティブなことは良くないことと思われています。しかし、才能開花という視点から見れば、ポジティブな出来事を経験しても、ネガティブな出来事を経験しても才能はある。なぜなら、人はディープインパクトをきっかけに才能に目覚めるからです。
大切なことは、その出来事がポジティブかどうかより、あなたの心を突き動かしたかどうか?
人よっては「心を突き動かされたかどうかわからないけれど、これかな?」と思うような出来事がディープインパクトの場合もあります。
以前、キャリア相談にこられた研究者のCさんがいました。Cさんの得意なことは情報収集。資料やデータ探しが得意で、google検索で欲しい情報は何でも手に入れられるというのです。
「どうして情報収集が得意なんですか?」と聞くと、「もしかしたら、子供の頃から辞書を良くひいていたからかもしれない」という答え。子供の頃、親と話していてわからない言葉が出てくると「じゃあ、辞書を調べてみよう」と親がいって一緒に調べていたそうです。
「そういえば、あの頃から知らないことを調べて世界が広がっていくのが楽しかった」 と言われていました。
一流選手や大成功した起業家は、強烈なディープインパクトを持っていることが多いですが、Cさんのように普段の日常の中に心が動く出来事があった方もいます。スポーツの世界でも「親がテニスが好きだったから、自分もテニスを始めてプロになった」というのは良くある話。
当たり前すぎてすっかり忘れているかもしれませんが、こういう出来事の中で育まれる才能もあります。
才能は生まれつきのすごい能力だと思っている人が大半ですが、そうではありません。人はモチベーションがわからなければ行動しないもの。才能開花の原点にあるのはディープインパクト、あなたの心を突き動かした出来事です。
自分の才能を見つけたい方は過去を振り返って、あなたのディープインパクトをぜひ探してください。それがあなたの才能開花の出発点であり、人生の出発点なのです。