スマホ休憩で本当に頭は休めているのか?

スマホ休憩で本当に頭は休めているのか?

先日、クライアントからこんなご相談がありました。

「休日も仕事のことを当たり前のように考えてしまい、頭が休まらない」
「だから気分転換についついスマホを見てしまう」

この感覚はとてもよくわかります。以前の私もまったく同じ状態だったからです。しかし、スマホ休憩では疲れが取れませんでした

パフォーマンスや人生の質を上げるには、別の方法が必要だと思い、試してみると、脳がスッキリするようになりました。

結論からいうと、脳を休ませるコツは「頭の中に、文字や映像や音が湧き上がってこない状態を作る」ことです。

生成AIの普及でデジタルツールを使うことが増え、情報もさらに溢れるでしょう。すると脳への負荷はますます大きくなります。だからこそ、脳を休ませる方法を知っておくことは大切で、才能を100%発揮することにも役立ちます。

目次

なぜ「スマホ休憩」で脳は疲れるのか?

スマホ休憩は気分転換にはなりました。けれど、その一方で、頭はスッキリせず、だるさや重さといった疲れの感覚は残りました。

疲れをよく観察してみると、だるさを強く感じているのは、足腰や筋肉ではなく、首から上、つまり「頭」だけだと気づきました。

体力的にはまだ余裕があるのに、集中しようとすると頭が重い・考えたくない。

「体そのもののが疲れているのではなく、頭(脳)が疲れすぎて、全身のだるさとして感じているのでは・・・」

と思ったのが、そもそものきっかけです。

脳が疲れているサイン

仕事中、私たちは一日中「考える」「判断する」「気を遣う」「我慢する」などに脳を使っています。これを支えているのが、いわゆる「脳の司令塔」にあたる前頭前野などのネットワーク。

この部分への負荷が続くと、筋トレすると筋肉がパンパンになるように、「もうこれ以上はフルパワーで動きたくない」というサインが出ます。すると、それが以下の感覚に変わります。

  • 頭の重さ
  • 集中しづらさ
  • やる気の出なさ

つまり、「首から上だけがやたらとしんどい」という感覚は、脳が「少し負荷を下げてほしい」と訴えているようなものです。

スマホ休憩でかかる負荷

すると、この負荷を下げるために、「とりあえずスマホで気をそらす」という選択をします。(正確に言えば、選択をしたくなるので、選択をする。)

私もまさにそうでしたが、スクロールしていると、確かに一瞬は仕事のことを忘れられます。

ただ、その裏側で脳にはこんな負荷がかかっています。

  • 次はどのアプリを開くかを選ぶ
  • タイムラインの大量の情報の中から、重要そうなものを瞬時に取捨選択する
  • 通知やメッセージにどう反応するかを考える

つまり脳は疲れているのに、働き続けるわけです。

結果として、「気分は紛れたけれど、頭の奥の重さはあまり変わっていない」という、中途半端な疲労感が残りやすくなります。

スマホを悪者にする必要はありませんが、「脳をしっかり休ませたいタイミング」でスマホ休憩を続けると、疲労は慢性化しやすくなります。

脳の負荷を下げる「体感的基準」

一方で、何かに集中していない時は、脳内では「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と呼ばれるネットワークが活動しやすくなることがわかっています。

DMNは、

  • 過去の出来事の振り返り
  • 未来のシミュレーション
  • 自己についての思考

などに関係し、記憶や経験の整理、統合にも関係していると考えられています。

外からの刺激が少なく、「なんとなくぼーっとしている時間」は、こうした内向きの処理が進みやすい状態です。

ただ、過去の失敗の反芻など、いわゆるネガティブ思考のループに陥ってしまうと、逆効果なので、「穏やかに休める環境」を整えることが重要になります。

そこで脳を休ませるためのカギになるのが、「頭の中でどれくらい言葉や映像、音が湧き出ているか?」をチェックすることです。

1.「頭の中のおしゃべり」を静める

これは脳がどれくらい休めているかを知るための判断基準になります。あくまで「体感的な基準」ですが、「頭の中で、どれくらい言葉のかたまり(セリフや文章)が湧き出ているか?」を観察してみることです。

考えているときは、無意識に頭の中で言葉をしゃべっています。

  • メールの文章を考える
  • 上司との会話をシミュレーションする
  • 過去の出来事や自分の行動に、心の中でツッコミを入れる

そんな時は、外から見ると休んでいるように見えても、頭(脳)は働き続けています。逆に、意識して何も考えずにいるときには、この「頭の中のおしゃべり」が少しずつ静かになっていきます。

ですので、休憩中に、「今、頭の中でどれくらい言葉が湧き出ているか?」を観察してみてください。

数十秒以上、「頭の中にほとんど文字やセリフが湧き出てこない状態」になったら、脳のおしゃべりがかなり静まってきたサインです。

2.映像や音の「湧き」を放置する

言葉のおしゃべりが静まってきても、イメージや映像、音が頭の中で湧き出てくることがあります。

  • 過去の記憶が湧き出てくる
  • 明日の会議の展開を想像してしまう
  • 頭の中で音楽がリピート再生される

これも脳の自然な働きなので、「全部止めなければ!」と頑張る必要はありません。ただ、「次から次に映像や音が沸き続ける」状態だと、脳は働き続けています。

「ゼロ」にするのは難しいので、以下の状態を目標にしてみてください。

  • 言葉がだんだん減っていく
  • 映像や音も、湧いてくるけれど、ぼんやりしていて内容を追っていない

ポイントは、

  • 湧き出てきてもOK
  • ただ、湧き出てきても、それに乗らず、追いかけずに放置する

感覚をつかめると、脳の負荷はかなり下がります。

最後に

初めは、びっくりするくらい、とめどなく文字や映像が湧いてくるはずです。まるでChatGPTのように脳は文字や映像を生成します。

それでも、何度か試していると、ときどき「何も考えていない時間のスキマ」のような瞬間が訪れます。このときの頭のスッキリ感は、スマホで気をそらしたときとはまったく違う感覚になるはずです。

重要なことは、「脳が休みたいときに、休ませる力」を身につけること。

その選択ができるようになれば、脳を回復させ、パフォーマンスを上げられるので、集中力や創造性、才能発揮につながります。

気分転換にスマホを触りたくなったら、頭の中に、文字や映像や音が湧き上がってこない状態を作ることに切り替えてみてください。

「スマホ休憩」から「脳がよろこぶ休憩」へのシフトを、ぜひ試してみてください。

自分の才能の活かし方に興味があれば、下記記事を参考にしてください。

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この記事を書いた人

才能 プロファイラー/才能開発コンサルタント。
「クライアントを経済的・精神的に最も豊かにする才能開発」がモットー。
著書「才能が9割 3つの質問であなたは目覚める」、「自分の秘密 才能を自分で見つける方法」(経済界)

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