こんにちは! 才能心理学協会・認定講師の澤田浩一です。
先日、樹木希林さん、黒木華さん主演の映画「日々是好日」を観に行ってきました。
「日々是好日」はエッセイスト、森下典子さんが自身の体験を綴った茶道をめぐるお話です。
主人公、典子は真面目で、理屈っぽくて、おっちょこちょいの20歳の大学生。
大学時代に自分の一生をかけることができるような何かを見つけたいのに、それが何かもわからず紋々と日々だけを過ごしていました。
そんなある日、「お茶を習ったら」と母から勧められ、従姉妹と一緒に武田先生のもとを訪れます。
映画は典子のそれからの20年間を綴っています。
正直に言いますが、私はこの映画を観るまで茶道のことはまったく知りませんでした。
観光地でお茶を振る舞われて、適当に茶碗を回して飲んでいたほどです。
この映画を観て「お茶」がこんなに厳格で細かな作法だとは思いませんでした。
例えば
「茶室に入るときは左足から。」
「敷居と畳のヘリは絶対踏まないようにする。」
「畳一畳は六歩で歩き、七歩目で次に入る」
など。
また季節ごとに使う道具も違えば、道具の置き方も変わります。
(中には12年に一度しか使わない道具もあります)
「とてもではないが覚えきれないな~ 自分には無理!」と映画を観ていて思いました。
典子はひとつひとつの手順を覚えるために武田先生に動作の意味や理由を質問しますが、先生は「お茶はまず形なのよ。はじめに形を作っておいて、あとで心が入るものなのね」と答えるだけです。
とまどいながらも稽古を繰り返す典子でしたが、ある日、自然に身体が動くようになります。
そして何年も続けるうちに、今度は梅雨時と秋では雨の音が違うことに気が付きます。
「瀧」と書かれた茶室の掛け軸を見て、瀧の轟音を聴き、お湯の「とろとろ」という音と「きらきら」と流れる水音の違いがわかるようになります。
原作者の森下典子さんは「日々是好日」の中で次のように述べています。
「『作法』だけが存在する。『作法』それ自体は厳格であり、自由などないに等しい。ところが『作法』の他は、なんの決まりも制約もないのだ。(中略)お茶をわかるのに時間制限はない。三年で気づくも、二十年で気づくも本人の自由。気づく時がくれば気づく。成熟のスピードは人によってちがう。」
このことは才能を伸ばし、活かすことにも通ずるのではないかと思います。
才能心理学のコースでは、みなさんが本当に心の動くこと、コア・コンセプトを見つけ、コア・コンセプトを基にビジョンを作っていくお手伝いをします。
ですが、そこから先はみなさんが繰り返し、コア・コンセプトに沿って能力を伸ばし、工夫しながら活かしていくことが必要です。
「お茶」と違うのは、厳格に決まった作法はありません。
それまでの経験や今持っている能力から、ひとりひとりが考えていく必要があります。
たったひとつの作法は、ことあるごとに「これは自分のコア・コンセプトに沿っているのか?」とコア・コンセプトに立ち戻ることです。
ある人は今の仕事を工夫して、すぐにでもコア・コンセプトを活用し、活躍されています。
ある人は思い切って仕事を辞め、コア・コンセプトを活かした仕事を立ち上げようとされています。
またある人は今の職種は変えずに、コア・コンセプトを活かすための副業を始めようとしています。
どの方も自分のコア・コンセプトを活かそうと模索しています。
道の途中で立ち止まったり、悩んだりすることもあるでしょう。
でも作法を守り、何度もコア・コンセプトに立ち戻ることで、ふと今まで気づかなかったことに気づいたり、新たな発見をしたりするのだと思います。
そうして人は成熟していくのではないでしょうか?
私も自分のコア・コンセプトから中小企業の後継者向けのコーチング活動をしていますが、日々気づきを得ています。
みなさんもコースを受けて、スタートラインに立ってみませんか?
映画「日々是好日」は10月13日から公開中です。