生産性の向上は、社員の才能を活かすことから

こんにちは! 才能心理学協会・認定講師で二代目経営者コーチの澤田浩一です。

 

最近、本屋のビジネス書籍コーナーで“生産性”という言葉をよく見かけます。

製造業では至極なじみの言葉なのですが、政府が労働生産性の向上をテーマとして挙げているので一般でも話題になっているのでしょう。

 

生産性を式で表すと、生産性=アウトプット÷インプット

つまりいかに最小限の労力で最大限の成果を上げるかが、生産性に関するテーマとなります。

 

この生産性を上げるためによく知られている手段として「改善活動」があります。

チームで今まで行ってきた業務を見直し、効率化を図る活動が改善活動なのですが、この改善活動、なかなか根付かないで苦労する会社が多いのではないでしょうか?

 

うまくいかない理由のひとつは、「どのような目的で改善を行うのか」ということがその会社のビジネスニーズとリンクしていないことが挙げられます。

 

例えばコストを最小限にしつつ、お客様へのサービスを向上するために改善を行うとしましょう。

そのために他社の成功事例を取り入れて、改善活動を行うということをよくするのですが、対象とするお客様の層が異なるので、そのまま他社事例の真似をしてもうまくいきません。

 

一言でサービスの向上といっても、リッツ・カールトンのような高級ホテルのお客様は富裕層の方々がメインになります。

またディズニーやUSJではワクワク感やドキドキ感を味わいたいお客様が対象になります。対象とするお客様が異なるので、どこに予算を掛け、どこを切り詰めたらよいのかということは異なってくるはずです。

さらに同じバスの事業でも観光バスと夜行バスでは、お客様へのサービスのポイントが異なります。

観光バスでは一人一人のお客さまに旅行を楽しんでいただくことがサービスのポイントですが、夜行バスではいかに快適に安眠できる環境を作るかがポイントとなるはずです。

改善活動は、その会社のビジネスニーズにリンクさせた内容であるべきです。

 

では改善活動の内容がその会社のビジネスニーズに合っていたとして、それでうまくいくのでしょうか?

活動内容が決まっていたとしても、実行するメンバーにそれをやってみようという“乗り気”がなければどうでしょう? 

 

どのような仕事でも同じですが、最も効果が上がる活動はビジネスニーズを満たし、そこでの評価を受けると同時に、自分自身も”やり切った感”を感じるとき、すなわち自己評価も高くなるような活動です。

 

改善活動もそれがビジネスニーズに合う活動であっても、参加メンバーの心が動かない活動なら、単にやらされ感や義務感だけに終わってしまい、継続するモチベーションが失われてしまいます。

それでは効果的な改善活動は期待できません。

私の会社でも「これは良いな」と思う取り組みでも続かないで終わってしまう取り組みは、たいていそのような活動です。

 

生産性に関する本は多く出ていますが、たいていは「このような活動をすればうまくいく」的なもので、活動に対して参加者メンバーの心が動くことの大切さが書かれている本は少ないのではないかと思います。

 

才能心理学のセミナーでは、自分がもっとも心が動くものが何なのかを見つけ出し、それをビジョンやミッションの形にしていただいています。

同じように改善活動も参加メンバーが何に心が動くのかをひとりひとり明らかにし、その上でどのようなビジネスニーズに基づいて活動していくのかを共有することで、効果的な改善が行われると思います。

 

私の会社では今年から目標を立てるにあたり、経営陣は方向性だけを決めて、具体的な活動は社員一人一人に立ててもらっています。

評価面での課題はありますが、ひとりひとりの心が動く活動になれば良いなと思います。

それが如いては社員の才能を活かし、イキイキとした経営につながると思うからです。

 

私はそのような組織作りをしていきたいと思っていますし、そういうお手伝いができればと思います。

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この記事を書いた人

精神科ソーシャルワーカーを経て、経理・総務・人事等の業務に従事後、2001年より計測器メーカー㈱サワダ製作所を経営、中小企業経営者のパートナーとして才能心理学、TOC、NLPを使った組織作り支援を展開。

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