「優等生、やめます」
先日、受講生からメールが届きました。彼女は人当たりも良く仕事もできる。職場で活躍している女性です。
仕事ができる人の共通点は相手の期待に応える力があること。これは才能を活かすという点でもとても重要なことですが、1つだけリスクがあります。それは他人の期待を優先させすぎて、自分の感情(気持ち)を後回しにしてしまうこと。優秀な人ほど「自分を後回しにする罠」にはまってしまいがちです。
セミナーが始まった1月。彼女をぱっと見たとき、このリスクを感じたので伝えました。それから彼女は自分の働き方や人間関係など見直し、幼少期、両親から「お前はお利口さんだね」とずっと言われていたことを思い出したそうです。
もちろん、ご両親は娘を褒めたくて言っていたわけですが、言われた子供は
「お利口な子供=両親が喜ぶ」
「優等生=両親が幸せになる」
そんなビリーフ(思い込み)を持つようになることもあります。
自分の中に優等生という人格(キャラ)を作り上げ、一方で、優等生以外の人格は封印するのです。
親子関係でも会社の人間関係でも、パートナーシップでも、私たちは相手を喜ばせるために、自分の人格を作りあげ、期待に応えようとします。ところが実際には誰の中にもいろいろな人格があるものです。優等生の自分もいれば、ジョーク好きな自分。羽目を外したい自分もいれば、人のために尽くす自分もいる。
1つの人格が強くなりすぎてしまう問題は、他の人格を使えなくなること。
そして、その人格に飽きたとき、人生そのものに飽きがくることです。
仕事やパートナーシップに飽きるのは、仕事そのものやパートナーに飽きたというより、今の自分に飽きているから。本当は別の人格で働いたり、付き合ったりしたいのに、「他人の目や期待を気にして出せない」というビリーフがあるから。
才能開花という観点から言えば、すべての人格をTPOに合わせて使いこなせるのがベストです。
彼女はそのことに気づきました。「すごく楽しくなってきた!」と言っていましたが、封印してきた人格を使えるようになれば、それは楽しくなりますよね。(笑)
もしあなたが今、人生や可能性への行き詰まりを感じているとしたら、成功パターンに縛られているからです。期待に応える、優等生でいることは彼女の成功パターンでした。しかし、これから人生を考えたとき、その成功パターンに縛られるのは、逆に可能性を減らすこと。
「優等生でなくなったら、どう思われるだろう?」
成功パターンが防衛パターン化してしまうと、あなたの人生は行き詰まります。
ある意味、成功パターンほどやっかいなのです。
ある時期、うまくいった方法が、別の時期からうまくいかなくなる。
だから成功はゴミ箱へ。
人生をもっと、もっと楽しめるように。
彼女の中からどんな才能が芽吹くのか楽しみです。
人格と才能の関係について知りたい方は、下記の書籍と記事を参照してください。