この記事では自己分析を100%活かす方法をお伝えします。
具体的には自己分析の結果を活かして突き抜ける人と、結果を見て凹む人の4つの違いについて。20年間で1万人以上のクライアントの心理分析と才能分析をした経験を元にお伝えするので参考になると思います。
最近、自己分析がブームだという話を聞きました。
確かに、2019年のビジネス書ランキング1位になった前田裕司さんの「メモの魔力」という本には〔巻末付録〕に自分を知るための【自己分析1000問】がついていますし、強み診断のロングセラー本「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0」にもストレングスファインダーという強み診断webテストがついています。
最近は「好きなことを仕事にしよう!」というメッセージも溢れていて、SNSを見ているとすでに実現して輝いている人が次々に目に飛び込んできます。中には自分より若いのに活躍している人や普通のサラリーマンよりも稼いでいる人もいるので、「自分も輝きたい」「自己分析をすれば自分の強みや長所がわかって、私も流れに乗れるんじゃないか」と思う人もいるでしょう。
実際、自己分析はとても大切です。成功した人は全員「自分の強みと弱み」を知っていて、それを活かすことで成功しているからです。私もクライアントの才能開発をするときは、3つの質問で才能分析をする才能プロファイリングに取り組んでもらいます。
ところが同じ自己分析をしても、突き抜ける人がいる一方で、凹んでしまったり、余計に悩んでしまう人もいます。 せっかく頑張って自己分析をしたのに凹んで終わるのは嫌ですよね。そこで、あなたが自己分析を100%活かせるように4つのポイントを順番にお伝えします。
自己分析の価値は何で決まるのか?
同じ自己分析をしたのに、なぜ違いが出てくるのかというと「自己分析の結果の使い方」に違いがあるからです。
突き抜ける人は自己分析の結果、わかった強みを活かして何かを始めようと考えています。たとえばプロジェクトを成功させる、部下のモチベーションをあげる、転職する、起業するなど、何かの目的を実現するために、この強みをどう活かせるだろう?と考えて、実行しています。
一方で、凹んでしまう人は、自己分析をして自分の強みさえわかれば人生上がれる。それだけで成功や幸せが約束されるんじゃないかという期待が強いために結果を見て終わる。次の行動に結び付けられない傾向が強いように思います。
たとえば、「自分の強みがわかれば、退屈なサラリーマン人生をやめて、独立起業して自由な働き方ができるんじゃないか」という期待があったとします。すると期待していた以上の素晴らしい強みが見つかるとテンションが上がります。しかし実際に起業して自由な働き方を実現するには、いろいろな壁を超えるための行動が必要になります。
また分析結果が期待以下だった時には、「こんな強みしかないなら、到底独立起業なんてできない」とがっかりして終わってしまうこともあります。
しかし、そもそも分析というのは結果を活かすために使うものなので、分析結果がわかっただけではなんの意味もありません。つまり自己分析の価値は、その結果の活かし方で決まります。
確かに他の誰も持っていない素晴らしい強みがあればメリットは大きい。だから誰もがそういう強みを欲しいと思いますが、残念ながらそんなケースは稀です。
今、成功している人もはじめは小さな強みしかなかった人が多く、そこから強みを活かせる自分になることで、つまり発想力(クリエイティビティ)を磨くことで小さな強みを大きな強みに育て目標や夢を実現しています。 逆に、強みの活かし方を自分で見つけることができなければ、どんな強みを持っていたとしても、目標や夢を実現することは難しくなります。
強み以上に大切なもの
「なぜ目標や夢の実現が難しくなるのか?」ロールプレイングゲームのドラクエで考えてみましょう。
まだレベル2とか3なのに、ボスキャラを倒せる伝説の剣を手に入れたとします。「世界に1つしかない最強の剣を手に入れた!」とテンションが上がるでしょう。 では、それでボスキャラ倒しに行くでしょうか?
「まだレベル3だけど、最強の剣を手に入れたから、きっとボスキャラを倒せるぞ!」と思うでしょうか? 思わないですよね。 剣を使いこなす技術も体力も攻撃力も防御力ないし、まだスライムとしか戦ったことがないのに、ボスキャラに挑もうという勇気が湧いてくるかの? ちょっと厳しいですよね。「まだ早い」「練習して、修行してからにしよう」と思います。
けれど、あなたが伝説の剣を持っていると周りの人が知ったらどうなるでしょうか? ボスキャラはあの城にいるとわかっています。すると「伝説の剣を持ってるんだから、早く城に行って倒して来てよ」と言われるかもしれません。
でも、心の準備はできていない。すると言われれば言われるほど、「まだ経験が足りないので・・・」といいたくなります。場合によっては「いつ修行終わるんですか?」と言われてしまうかもしれません。すると最強の剣を持っているのに勇気がでない自分に対して、さらに自信喪失する悪循環にはまってしまいます。
自己分析の結果にガッカリする本当の理由
武器は必要です。 しかし、本当に必要なのは武器を使いこなし、活かせる自分になることです。 つまり自己分析をして凹む理由は、自己分析の結果にガッカリしたからではなく、自己分析をする前から勇気や行動力のない自分にガッカリしているからです。
あなたが本当に変えたいのはそんな自分のはず。自分にガッカリする自分でいたいわけではなく、最強の武器を持っていようが、持っていまいが、ボスキャラや夢に挑める自分になりたいと思っている。それが本音ではないでしょうか?
あなたにとってボスキャラは親かもしれないし、上司かもしれないし、手強い交渉相手かもしれない。転職や起業かもしれない。そういった人生の壁に挑める自分になりたいのではないでしょうか?
もし答えがYESなら、自己分析の結果に一喜一憂するのではなく、わかった強みを活かせる自分になること。それが今の課題です。
- 無力な自分が伝説の武器を持っている
- 修羅場をくぐってきた自分がそれなりの武器を持っている
どちらが強いと思いますか? どちらの自分なら、人生の壁に立ち向かっていけるでしょうか? 修羅場をくぐってきた方ですよね。
心理学的な観点からいえば、私たちは修羅場をくぐる勇気がなくて不安だから、その不安を払拭するために最強の剣が欲しいと思っています。けれど最強の剣を手に入れても、不安は消えません。ボスキャラに挑むのは剣ではなく自分だから。これは武器の問題ではなく、メンタルの問題です。
「こんな強みがあれば起業できのに・・・」
「お金があれば○○できるのに・・・」
「もっとトークがうまければ、セミナー講師にやYoutuberになれるのに・・・」
「リーダーシップ能力があれば、もっと部下が付いてきてくれるのに・・・」
もしそんなふうに思っているのであれば、これは強みの問題でも、お金の問題でも、トーク力の問題でも、リーダーシップ能力の問題でもなく、メンタルの問題です。
小さな強みを大きく育てる
メンタルの問題をクリアする一番手っ取り早い方法はやってみること。小さな成功体験を積み上げればメンタルも強くなるからです。
自己分析でいえば、わかった強みがどんな小さな強みでも、それを活かす方法を考えて実行することです。 1つ目のポイントは誰かの役に立つように強みを活かすこと。
たとえばストレングスファインダーで診断すると、私の強みの一番は学習欲でした。学習欲が強みなら、学んだことを人に教えれば理解力も深まり、教える力も伸び、喜ばれもします。
実際、私の場合はコンサルティングやセミナー、プログラミング教室を経営しているので強みを仕事に活かしています。 サラリーマンの方なら部下や後輩に仕事の効率的なやり方を教えてあげるるのもいいですね。
2つ目のポイントは、今の環境で即できるアイデアを出すこと。そうすれば今日からあなたの強みを活かせるので、どんどん伸ばすことができます。
まとめ
まとめると
- 自己分析は結果に価値があるのではなく、活かし方に価値がある
- メンタルの問題は行動で解決する
- 誰かの役に立つように強みを活かす
- 即できる強みを活かせるアイデアを出す
この4つを押さえて自己分析の結果を活かしてください。そうすれば、小さな強みを大きな強みに変えることができるようになります。