こんにちは、才能心理学協会・認定講師の澤田です。
才能心理学を勉強しはじめてから、経営者や著名人が書いた自叙伝やバイオグラフィーをやたらと読むようになりました。いったいこの人の経営を行うエネルギーはどこから来ているのだろうか、この人が活躍する行動のエネルギーはどこからきているのだろう?
エネルギーとは、その人が持っている感情のパワーです。その人の強い感情のパワーが能力を磨き、それが才能となります。才能心理学では、才能を生み出す強い感情を「才能の源泉」と言っています。
さて先日読んだ本は、トニー・シェイ著「顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説」(ダイヤモンド社)。
ザッポスという会社は日本ではあまり知られていないと思いますが、オンラインで靴を販売し、創業10年で年商10億ドルを達成した会社です。
ザッポスの創業者トニー・シェイはアジア系移民の2世です。
アジア系移民は彼が暮らした地域では多くはなく、定期的に親子ともども集まっては食事会をしたりしていたそうです。
そこでの親の会話は、子供の自慢話。 子供の出来を自慢するのですが、それには三つの基準があったそうです。
ひとつは学校の成績、二つ目はキャリア、そして三つ目は楽器を弾けること。それが彼ら移民にとっての成功の証なんですね。だから子供の教育は厳しい。
でもトニー・シェイはそういう環境に息苦しさを覚えていました。縛られすぎて息苦しい。
だから彼は自由を求めました。そしてそれをビジネスに求めました。お金を稼ぐことは、彼にとって自由の象徴。
実際、彼は子供のころから、いろいろなビジネスを考えては実行に移します。レモネード売りやニュースレターの発行、バッチ作り、9歳のときにはミミズの養殖まで試みました。
彼はハーバードを出て、オラクルに入社します。でも彼が求めているのは自由=ビジネスをすることなので、良い大学を出て、良い企業に入ることはゲームに勝つような感覚だと彼は述べています。
彼はネット企業を起こし、成功します。リンクエクスチェンジという会社です。
ですが、前回のブログにも書きましたが、最終的にその会社もマイクロソフト社に売ってしまいます。なぜなら会社が大きくなり、いろいろな思惑をもった社員(出世だけを望む社員も!)が入って、いつの間にかワクワク感が得られなくなったから。
自由であるということは、ワクワクするということです。そして彼はアジア系のコミュニティに育ったので、ビジネスを行うみんな(コミュニティ)とワクワクすることを求めてきたからです。
その後ベンチャー企業への投資会社をやっていたときにザッポスという会社と出会い、そのCEOになります。
そこで会社のコア・バリューの構築や「就業時間外も一緒にいたい人かどうか」を重視した採用を行い、一緒にワクワク感を持てる社員と共に、ザッポスを成長させました。
息苦しい環境から求めた自由でありたい、ワクワクしたいという感情、それがトニー・シェイの経営を行うエネルギーです。
みなさんにとってのエネルギーは何ですか?